- 邪魔はさせない -








君を手に入れたとき、僕は体が震えるほど嬉しかったんだ。


僕はもう、君を逃がさない   .








休日の午後、僕は談話室でくつろいでいた。


そんな僕に、聞き覚えのある小さな足音が近づいてくる。


ぴたりと止まった足音に顔を上げると、
が魔法史の教科書と羊皮紙を抱えながら、僕の前に立っていた。




  「ねー ハリー? 魔法史の宿題終わった?」


  「いや、まだだよ。 と一緒にやろうと思って。」




  「えっ」




さらりと言った僕に、
は少し照れながら"あはは"と小さく笑った。




  「じゃあ。 これから図書室でやろうか。」


  「うん。」




ソファーから立ち上がった僕を、彼女は見上げた。


その頬は、ほんのりと紅く染まっている。






ねぇ 
ほんと、君は食べちゃいたいくらい可愛いよ。












  「おやポッター。 とどこに行く気だい?」




図書室に向かう廊下で、"に振られた"マルフォイに会った。


奴は僕を憎らしげに睨むと、隣にいるをジッと見た。




  「あ、私達これから図書室で宿題をするの。 えと…」




"ドラコも一緒にやる?"
そう言ったに、マルフォイの口元がニヤリと笑うのが見えた。




  「それじゃ折角だから、お言葉に甘えさせてもらおうかな。」




奴は素早くのところまで歩いてくると、
彼女の手を取り、その甲にキスをした。




  「あ…」




は慌てて手を引っ込めた。


満足げに笑うマルフォイに、は少し顔を紅くしていた。








  「マルフォイ。
   君がいくらを好きになっても、彼女は渡さないよ。」


  「ふん! お前なんかより、僕の方がよっぽどを幸せに出来る。」


  「…ふぅん。」




僕は奴に冷笑を浮かべると、
マルフォイの見ている前での唇を奪った。






  「ん…」




は恥ずかしそうに僕の体を突き放そうとしたけれど、
僕は彼女が逃れられないよう、抱きしめていた。




ゆっくりと彼女の口内に舌を入れ、
自分の舌をの舌に絡ませると、彼女は微かに震えた。




そんなに、僕は少々理性を失った。










の体を引き寄せ、その舌で彼女の口内を犯していく。




彼女の甘い吐息は、僕を欲情させるには十分で。






ぎゅっと僕の袖を掴んでいたの手は、
僕が舌を動かすたびに力が抜けていった。




のネクタイを解き、シャツのボタンを二つ外した僕は、
彼女の首筋にキスをした。




  「あッ」




の体が震える。


そんな彼女の声と姿に、僕の体にはぞくっと痺れるような快感が走った。








  「だ…め…」


なおもシャツのボタンを外そうとする僕を、の手が遮る。






  「どうして?」


耳元で甘く囁いた僕に、の体は小さく震えた。






  「ドラコが…」




ああ。 そう言えばそんな奴もいたっけ。


振り返りマルフォイを見ると、
奴は口を開けたまま、呆然とした表情で僕等を見ていた。






  「マルフォイ。 君がいるとが集中出来ないんだ。
   どこかに行ってくれる?」




微笑んだ僕に、マルフォイの顔は真っ赤に染まった。


しかし奴はまったく動こうとしない。




…仕方ないな。


僕は小さく笑うと、を放し、乱れた服装の彼女にローブをかけた。


は顔を真っ赤にしながら、ちらりと僕を見上げた。






  「じゃあマルフォイ。 僕等は行くよ。
   …君もさっさと恋人を作った方がいいよ。」




そんな僕の嫌味に、
マルフォイは何も言わず、ただ顔を赤くして俯(うつむ)いていた。










  「あの… ハリー?」




図書室の一番奥の本棚の裏に連れてこられたは、
そのことに気付いたのか遠慮がちに声をかけた。






  「なんだい?」


微笑んだ僕に、は困ったように僕を見上げた。






  「私達、宿題をやりに来たんだよね?」


ぎゅっと教科書と羊皮紙を抱きしめるは可愛くて。






  「僕、宿題をやるなんて一言も言ってないよ?」


  「えっ?」




  「"これから図書室でやろうか"って言っただけだし。」


  「それ、宿題のことじゃ…」




  「まぁ、"少し"はやるつもりだったけどね。
   でも君のあんな声を聞いたら、もう我慢出来ないよ。」






僕は微笑みながらの抱えている教科書と羊皮紙をスッと取ると、
それらを机の上に置いた。






  「ここなら邪魔は入らないから…」


耳元で囁き、のローブを脱がせると、
彼女の白い首筋に僕が付けた紅い印が見えた。






ねぇ 
僕は君を逃がさないよ…




















に触れている時間、何度か他の生徒と目が合ったが、
彼等は僕が微笑むと慌てて逃げていった。










もう誰にも僕の邪魔はさせない。










その行為に甘く鳴いてくれる
















僕はもう、君を逃がさない