きみと、おれたち
いつも何時も騒いでばっかりいる。
そんな僕等も今日は誕生日! いたずらの度合いもパワーアップしたくなる。
「フィーーールチ!」
「今日のクソ爆弾は一味違うぜぇ!」
「名付けて『ハイパーキングダムクソ爆弾!』」
「誕生日バージョン!」
「「プレゼント フォーユー!」」
そういってクソ爆弾を思いっきり投げてやる。
何時もならフィルチだけスミ塗れだが、今日は誕生日バージョン。
半径3mは真っ黒にしてやったぜ☆
「アッハッハ!今日の爆弾は凄かったなぁ」
「3日前から研究してたんだ。威力が凄いに決まってる!」
ニシシ と笑いながら、ハイタッチを決める。
「あ・・フレッドとジョージ!」
「「!」」
僕らの膝少し上ぐらいまでしかない短い足で、トタトタと走ってくる。
「どうしたの? 顔に傷が・・・また悪戯してたのね!」
「「フィルチにクソ爆弾をお見舞えしてやったんだよ」」
「怪我するんだったらしなきゃいいのに・・・」
僕達の手を引っ張って、動かない階段に座らせ、ポケットからウェットティッシュを取り出す。
「面白いんだぜ、フィルチの叫び方!」
「この前なんか、『あうーーーッ!』だってさ。犬じゃないんだから!」
「はいはい、良かったわね朝っぱらから私じゃなくフィルチに会うなんて」
ケラケラ笑う俺達のズボンの裾を上げ、ウェットティッシュで小さな傷を拭いていく。
「こんなに傷を作ってまで・・・」
「「だって楽しいんだもん!」」
「もぅ・・」
思いっきり心配顔の。
ジョージの頬に出来た傷までウェットティッシュで血を拭く。
「危ないことしないでよ」
涙を流しそうな勢いで、僕達の顔を見る。
僕達が怪我したのに、どうして君が泣くんだろう。
「な・・なんでが泣くんだよ」
の涙は大嫌い。
だから、僕達の焦りは一気に高くなる。
「2人の怪我してる姿なんて見たくないよ・・・危ないことはしないで」
愛らしく泣く君に、僕等は何故か見とれてしまった。
その涙からは、1つの命が生まれるんじゃないかと不思議に思うほど。
「怪我しないように気をつけるから」
「僕らから悪戯を取ったら、僕らじゃなくなる!」
「2人の中に私はいないの・・?」
その言葉にビックリした。
付き合っているけど、僕らがアプローチばっかりしていたから、からされたのには驚いた。
「もう良い・・・二人への誕生日プレゼント・・あげない!」
血だらけのウエットティッシュを僕らに投げつける。
「わーーーーーッ!!」
「、ストップ!」
僕らがそう言うと、歩く力がちょっと遅くなった。
「僕らに何をくれようとしてたの・・?」
「わたし・・・」
「ん?」
「何?」
「私ッ! ハリー達に進められたから、どうかな・・って思ってて・・時間も無かったし、プレゼント買えなかったから・・」
「「いる・・・」」
「は?」
「「がいるから、悪戯やめるッ!!」」
急に二人が私の元に走ってきて、私を抱きしめた。
「本当にやめてくれる・・?」
「やめるから頂戴!」
「ていうか、もうベットへゴー!!」
「わ・・きゃ・・やーーッ!」