Wide of the mark….....08
「、良いの?これで」
「何が?」
「ジョージの事よ。何があったかは聞いてて何となく予想がついたけど・・」
「良いも何も・・どうしようも無いよ・・」
「本当にそう言える?あんなに仲が良かったのに。それにフレッドの事だって・・」
「勉強の続きしようよ、ハーマイオニー。遅くなっちゃうよ。ね?」
その言葉を言ったは、全然笑っていなかった。
「逃げないで」
「・・っ・・」
「本当にそれで良いの?これでジョージを失くすのよ?」
「そんなの・・っ」
「今までの・・そうね、3ヶ月位前から。フレッドの話よりもジョージの話の方が多かったわ」
「・・・なんだか、この前からジョージの様子がおかしいの」
「ジョージに求められて嫌だった?好きだって言われて迷惑だと思った?」
「嫌じゃ、なかった。最初は驚いたけど・・全然・・嫌じゃなかったよ」
フレッドの事も吹き飛ぶ位。だけど、これは恋愛感情としてなの?
「でも・・フレッドの事好きだったのに。ジョージは良い友達だと思ってたのに・・」
「十分じゃない」
「え・・」
「今、“好きだった”って言ったわ。じゃぁ今は?」
「ジョージと話ができないなんて・・嫌だよ・・」
「ほら決まり。私は先に部屋に戻ってるわ」
にっこり笑って背中を押すハーマイオニーがには大人に見えた。
「・・・有難う。行ってくる!」
今まで何を迷ってきたんだろう。答えはもう、出ていたのに。
は男子寮の廊下をひたすら走った。フレッドでは無く、ジョージの元へ。
会いたい。会って話しがしたい。あんな一方的なの、ズルイよジョージ。
やっとの事でジョージ達の部屋の前に着き、は息を整えた。
「・・居るかな」
さっきの様子じゃ、もしかしたら居ないかもしれない。
そう思いながらも、片手でドアをノックした。御願い・・出て・・
「ハイハイ・・誰だよこんな真夜中に・・・」
扉を開けて出てきたのは、紛れも無くジョージだった。
数分前と同じパーカーを着て、少しお酒の匂いがした。
「・・あ・・!ジョージ・・」
ジョージは一瞬、“どうしたの?”と声をかけそうになった。
“もう話しかけない”そう決心したばかりだと思いとどまり、が会いたいであろうフレッドを呼ぶ。
「フレッド、が・・」
「違うの!私が会いに来たのはジョージだよ」
「・・・・・・」
あぁ・・きっと怒られる。ジョージはそう思った。
そんで頬でもひっぱたかれて、俺のこの恋はジ・エンドだ。本当の本当に、終わりなんだ。
「言い逃げなんて、許さないんだから」
ほら来た。次は平手か?それとも拳で来るか?
「私の事好きだって言うなら、ちゃんと目を見てよ・・」
「・・え・・?」
「あんな言い方じゃなくて、ちゃんと言ってよ!」
「何・・言って・・」
予想と、全然違う。は何を言ってるんだ?眠くておかしくなった?
「勝手に独りで解決しないで!ジョージと会話すら出来ないなんて・・私・・」
ジョージに触れられないなんて。
「・・・耐えられないよ・・・・・」
「・・?」
酒に酔って、都合の良い幻聴を聞いてるのか?
「私、ジョージが居なきゃ嫌だよ!」
・・・それからはもう、何がなんだか分からなかった。ただ勝手に身体は動いていて
気が付いたら泣きじゃくるを抱きしめていた。夢じゃない事を確認するように、きつく。
「好きだ。・・」
「うん・・」
「ずっとずっと、好きだよ」
「うん・・私もだよ・・」
ああ、やっと言えた。
「やっと素直になれた・・・・・」
「もしがフレッドを好きじゃなかったら、俺はもっと素直になれたかな」
さえぎるモノは、何もない。