Wide of the mark….....06
何でこんな時間に。そんな疑問も直ぐに解消された。隣にはハーマイオニーも居て、熱心に勉強の指導をしているようだ。
そういえば、明日はちょっとしたテストがあるって言ってた。きっと、その勉強だろう。
ジョージは邪魔しちゃいけないと思い、立ち去ろうとした。
しかし、先程フレッドにとSEXをしたのを告げてしまった事が頭に過ぎる。にとって、一番知られたくない事。
「・・・分かった。フレッドには、言わないでね・・?」
約束したのに、俺はバラした。
「最初から最後まで、ダメな男だな。俺は」
あの時フレッドに言った時から覚悟は出来ていた。その時が今、きたのだ。
「!」
ジョージは被っていたフードをとってからの傍まで近寄り、2度目の覚悟を決める。
「ジョージ?どうしたの?こんな夜遅くに・・」
言わなきゃ。覚悟は出来てる。
「俺、とヤった事フレッドに言っちまった」
「え・・・?」
「ゴメンな」
ハーマイオニーは、“どういう事?何の話!?”ととジョージを交互に見ている。
「・・そんな・・」
「が好きだったんだ。今まで、ずっと。だからあの日、を騙した。犯したも同然だよ」
「・・騙す?」
「フレッドの“初めての女は嫌だ”なんて話、ウソだ」
「そう。フレッドだって、初めての女とヤルのは嫌だよ、きっと」
「今まで、が好きだからずっと騙してきた。ウソの情報を与えてきた。最低だろ?」
「う・・そ・・」
「ごめん。もう、話しかけない。もう、終わりだ」
何もかも、終わり。
「じゃぁ・・悪かったな、勉強中に」
笑顔は見せない。出来るだけ無表情で、感情なんか出しちゃダメだ。
このままサヨナラして、もう一生口もきく事は無いんだから。
「・・ジョージ・・」
最低な男を演じられただろうか。ちゃんとに嫌われて終われた?
「ジョージ、ねぇ待って!」
振り返るな。
「もしがフレッドを好きじゃなかったら、俺はもっと素直になれたかな」
“こんな事しなくても済んだかな。”
「ばいばい。」
「ジョージ!!」
の声を背に、ジョージは談話室を後にした。ジョージの心に、の名前を呼ぶ声が響く。
こんなの、ただの独りよがりにしかなってないかもしれないけど、ジョージにはこれしか選択は無かった。
覚悟決めたっつっても、辛いもんは辛いな・・・
自室へと続く廊下を歩きながら、ジョージはまたフードを被った。今度はただ顔を隠すだけじゃなかった。
決して後ろは振り返らない。負けるな。前を見ろ。そんな決心をしまい込むために。
ジョージが部屋に戻ると、フレッドとリーはジョージを暖かく迎え入れ杯の仲間に加えた。
ホグワーツへ来て、ここまでこの部屋が暖かかった事は無かった。ジョージはさっきの事をもう一度二人に謝り
“夜は長いぞ”というリーの言葉を合図に、3人はまた“元の3人”に戻った。