Wide of the mark….....04


















バカな。練習だなんて、ウソに決まってるじゃん。ただとヤりたかっただけだ。何で騙されるんだよ。
何で嫌だって言わないんだよ。それは、本当に俺の事がどうでも良いから?
だから素直に受け入れたって言うのか? 改めて思い知らされる。笑いが止まんねーよ。



・・バカなのは、俺自信だ。



ジョージは突然笑い出した。本当におかしそうに。
フレッドはいきなり笑い出したジョージを訳が分からず見すえる。




「さっき“何で一回だけなんだ”って・・言ったよな。にとって俺は、どうでも良い存在だからだよ」
「は?何言ってんの?どうでも良くてそこまでするかよ?」
「さぁな」
「お互い好きなんじゃないのか?」
「ははっ。冗談言うなよ」




“お互い”じゃなくて“俺だけ”だよ。




「つうかさ、お互いの気持ち分かってんだったら付き合っちゃえばいいのに」
「・・・・!」




その一言にジョージはカッとなった。声が、震える。



「・・付き合う・・?なに・・言ってんだよ・・・」





付き合えるもんならとっくに付き合ってる。ジョージの中で、何かが弾ける感覚がした。
何も知らないくせに。いくら想ったって、お前には敵わないってのに。は・・お前の事が好きなんだよ・・!






「ふざけんな!!軽く言うんじゃねぇよ!」




ジョージは肩を大きく上下させ、声を荒げた。フレッドの胸ぐらを掴み、壁に押さえつける。




「お前はいいよなぁ?!何もしなくたって好かれるんだからよ!!」
「ちょ、ちょっと落ち着けよジョージ!どうしたんだよ!」
「俺がどれだけ悩んだと思ってんだよ!どれだけ辛かったか・・!」





フレッドは、ジョージの顔を見て驚いた。





「・・お前、泣いて・・」
「っるせぇ!」





ジョージは自分が泣いていた事なんて気付かなかった。

ただ言える事は、フレッドに、少しでも聞いてほしかった。
が好きだって事も、ずっと辛かった事も。何もかも溜め込んで、相談すら出来なかった。出来るもんなら、したかった。

涙が出たのは、そんな想いもあったからかも知れない。初めてこの想いをフレッドにぶつけられた。




「なぁ・・・いきなりどうしたっていうんだよ?」




今までとまどっていたフレッドも、ジョージの涙を見て一変した。優しい、兄弟を思いやる表情でジョージを見る。
ジョージもまた、堪えるように自分の唇を噛んだ。フレッドの表情に流されて出てくる涙を抑える。



その時、ドアが開いて誰かが入ってきた音がした。