もっともっと
欲しくなって
君を抱いたあの日
離れていくのを恐れて
偽りの自分を重ねた日々
片割れを利用して
君に溺れる毎日
君の一番傍に居るには
こうするしかなかったんだ
好きだよ。
あいつになんか、負けない位。
Wide of the mark….....01
「もっとさぁ、こう出来ねぇの?」
「無理だって。お前ここやれよ」
「え、俺!?無茶言うなよ!爆発したら死んじまう」
「じゃ、人に頼むなって」
男子寮のある一室で頭を抱えているのは、悪戯好きなフレッドとジョージだった。
二人の道具をいつも買ってくれる常連たちに新作をせがまれていたために、夜の自室で今日も悪戯道具の新作を考えていた。もう何時間作業してるか分からない。
「あ〜もう!!無理!今日は無理!」
「俺も・・疲れた」
試行錯誤していたがついに行き詰った二人は、丸めていた背中を伸ばすために大きく伸びをする。
床で長時間背中を丸めて作業していた為に、二人共ヘルニアの気分を味わっているような感覚に襲われた。
「腰いてぇ〜〜〜!!目ぇ疲れた〜〜〜!!」
「わめくなフレッド!俺だって同じさ。とりあえず休憩だな」
同時に欠伸をしながらそれぞれの後方に置いてあったクッションに倒れ込み、
二人して同じ天井を眺める。ふと窓を見ると、すっかり月が昇っていた。
「俺たち何時間やってたよ?」
ジョージの問いかけに、フレッドはダルそうにしながらも重い腕をあげ腕時計を覗き見る。
「ざっと5時間だな」
「・・・進まねぇなぁ〜・・・」
ついに俺達にもスランプが来たか、と苦笑する。
ジョージは空いているベッドを見て、“そういえば”と、ここには居ない奴の事が頭に浮かんだ。