ずっと、ずっと、一緒にいることにしよう
ホ ワ イ テ ィ
待ちにまった土日に、雪がどっさり降り積もった。窓の外には、真っ白に彩られた山が遠く見える。これはもうあれだよね、
今日のデート先はあの山で決定でしょう!はしゃぐを前に乗せて、僕はファイアボルトを飛ばした。
「ハリー!!」
君の声が聞こえてふと、空を見上げた。だって上から聞こえた気がしたから。
「・・・あれ?えっと、どこ?」
「こっちこっちー」
振り返ると少し高く丘になった所に君がいた。
僕に笑いかけながら元気良く手を振っている。一面中、真っ白の世界だから眩しさ4割増し。
それが、
「・・・ッ?!うわっ」
「!!」
途切れた。
「・・・で?さんは何をやっているのかな(ニッコリ)」
「あははは・・・、・・・ご、ごめんなさい(笑顔が怖いよーッ)」
ちょっとふざけてみただけなのに・・・
雪まみれになった私が見上げた先、ハリーの笑顔が怖かった。
あれは結構怒ってる、うぁー。(誰だこんな怒らせたのわ!)(・・・私じゃん!)
ハリーに向けて手を振った後、ちょっと悪戯心が沸いてきた。
その場で後ろに向けて倒れ込む。少しの衝撃が私を襲い、少しの雪が私に降りかかる。雪が深い、痛いことはなく怪我もしない。
スポッと雪に体がはまる、私は楽しくなってきた。
私を呼ぶハリーの声。
慌てて私の元へ駆け寄ってくる。
心配してくれてるのかな?必死な貴方に嬉しくなる私は不謹慎かしら。
・・・うん。
不謹慎だったみたいです。
「まったく!いきなりいなくなるから本当に心配したんだよ!?大体君ときたらいっつもいっつも」
ぅあーーー。
ハリー最近説教多いよ・・・まぁ、それだけ心配かけてるって事だけどさ。
でもね?
「聞いてる、!?」
「えい」
「ぅわ!?」
私はハリーの手を掴むと強く引っ張った。うん、足場悪いしね。ハリーは簡単に私の隣、雪の中へ突っ込んだ。
「ね、なんかこれって楽しくない?」
このズポッて感じがさぁ!
フィット感がさぁ!
なんてニヘラと笑ったら、ハリーにはなんか長い溜息をつかれて。
あれ、凄い気持いいと思ったんだけどなぁ・・・私だけ??
なんて思わず悩み出してしまった私にハリーが笑いかけてくれた。
「うん、そうかも」
「・・・でしょ?」
やっと笑ってくれた。
「でもこんな事やるのは初めてだよ。やっぱり変だよ、って」
「そかな?だってこれだけの雪だよ!?ダイビングしてみたくなるでしょ」
「実際やる人は少ないよ」
クスクスとおかしそうに笑うハリーに、私は幸せになる。やっぱりハリーには笑ってて欲しいから、それが私に出来たなら尚嬉しいって思うから。
「何笑ってるの?」
「え、私笑ってた?」
「うん。幸せそうだった。何かいい事あった?」
「ふふ、・・・女の子のヒミツ」
「えー気になるなぁ」
貴方が笑ったからよ、ハリー。
「寒くなってきたね、そろそろ立ちたいんだけど」
「あ。待って!」
手を繋いだまま、しばらくずっとそのままでいた。じわりと冷たさが染みてくる。僕が立とうとしたら、に止められた。
「ゆっくり静かにね、周りとかに手とか付いちゃダメだよ?」
「なんで?」
「いいから、いいから」
楽しそうなの声。
きっとまた何かを企んでいるに違いない。
妙な所、フレッドやジョージに感化されてしまったらしい。さっきみたいな、過ぎた悪戯も多くて・・・僕としてはかなり困りものだ。
それでも僕はに敵わない、頭が上がらないんだ。
惚れた弱味・・・って言ったら聞こえはいいけどね。
僕らは四苦八苦しながらもなんとか起き上がる。雪を払う僕のローブをが引っ張る。
「見て見てハリー!」
じゃじゃ〜〜ん。
私たちのクローンの完成です!!
「・・・これがしたかったんだ」
「リアクション薄!!」
微妙な効果音まで付けて、は満足そうにソレを眺める。
そこには、二つの人型のヘコミ。
手を繋いで大の字に広がる僕らの形が綺麗に残っていた。
「これ、ずっと残しておけないかなぁ・・・」
また雪が降れば、あっという間に消えてしまう。
春になれば溶けてしまう。
無理なことはきっと解っている、その上での願い。
「何かひとつでも残せたら、いいのに」
永遠に・・・この愛を残せたなら。
目を閉じて、まるで祈るように呟くを僕は抱き締めた。
そんなことしなくたって
「は僕から離れたいの?」
「そんな!訳ないっやだよ。」
「うん、僕もやだ。君を離すつもりなんてないから。これっぽっちも、ね。」
「明日も、明後日も変わるつもりはないよ。もそうなら、」
これがずっと続いていくのなら。
「僕らは、永遠だよ。」
僕らのコピーに、物や形に、永遠を託さなくても
ずっとずっと、一緒にいよう?
箒に乗って、恋人達が離れていく。後に残された二人分の人型は仲良く手を繋いだまま、彼等を見送っていた。
雪が再び降り積もるまで。
いつまでもいつまでも。
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永遠なんてものはきっと実は有り得ないと誰もがそれを何となく分かっていて。
だからこそ人は物に、永遠を託そうとするけれど
それはそれで美しい、けれど人間だって時には信じることが出来るってことを、ちょっと私なり現してみて
失敗したの図。(ダメダメだぁ)