僕は恋なんかに興味はない。
勉強の邪魔になるし、はっきりいってめんどくさいじゃないか。
僕に似合う女は純血で、お嬢様タイプの人だ。
穢れた血など、一番ありえない。
論外だな。
僕に似合わない君
ホグワーツに転校してきた、一人の少女。顔もまぁまぁ可愛い。だが、マグルだそうだ。
マグルと聞いただけで、ありえないと思った。マグルなんかとつるみたくない。
「スリザリン!!」
一瞬ざわめきが走った。穢れた血がスリザリン!?なにかの間違いじゃないのか!?
その子はスリザリンの席に歩いてきた。だが、皆がその子から避けていて、ウザがっているような顔をしていたので、女の子は戸惑っていた。
「ここに、座りなよ!」
「おい!」
クラップが女の子に話しかけた。女の子はニコッて笑って、近づいてきた。
女の子が笑った瞬間、皆の心がトキめいた。僕も人の事言えない。トキめいた。可愛すぎる。
が座った瞬間、男共が寄って来た。
「・です。宜しくね♪」
笑顔が可愛くて、皆の心を奪っていった。
あれから、とも仲良くなった。を好きな気持ちはグッと高まり、いつも一緒にいた。
も僕に付いて来てくれて、皆は僕とが付き合っている!と言う噂までながれた。でも、まだ付き合ってはいない。可能性はあるけどな。
付き合っているという噂は父上の耳にも入ったらしい。手紙が来た。
”ドラコ、お前がマグルに恋をしたらしいじゃないか。私の耳にも入っている。
そんなヤツとは付き合うんじゃない。皆飽きれているぞ。お前と釣り合うヤツは他にもいる。その子の事は諦めるんだな”
と。父上がそういっても、気持ちが抑えられる訳がない。だが、父上の言葉が頭をよぎる。ちょうどその時、が話しかけてきた。
「ドラコ!」
走ってくる君を見ていたら、父上の言葉が頭をよぎる。
”そんなヤツとは付き合うんじゃない。”
が近寄ってきて、僕の腕を触ろうとしてきた。
「やめろっ!!触るな!!近寄るな!!」
の腕を振り払った。自分がした事に、自分が一番驚いた。は目を見開いて、こっちを見ている。周りにいる人達もこっちをみて、ひどくビックリしていた。
「ごめんなさ・・・・」
は涙を流して、こちらを見ていた。
「ごめんな・・さい・・・ドラコ・・・・」
の泣き顔を見ていたら、胸がズキズキ痛くなって、その場から離れてしまった。走りながら後ろを見ると、グリフィンドールやレイブンクローの奴等が集まって、を慰めていた。
は腰を抜かして、泣いていた。そんなを見ていたら、余計にズキズキしてきたので、一生懸命走って逃げた。
夕食の時間になっても、を見かけない。周りの人達は、僕を嫌がっている様に、避けていた。
クラップとゴイルだって僕から離れている。僕は嫌になって、大広間から出て行った。の事も気になるし、この大広間の雰囲気が嫌だったからだ。
ちょっと歩いていると、泣き声が聞こえた。とっさに「だ!」と思って走っていくと、が壁に背を向けていて、泣いていた。
「・・・・・」
声をかけると、は肩を震わせて、こっちを見てきた。
「なによ・・・・近寄るなって言ったのそっちじゃない・・・・・」
が傷ついている。大好きなを傷つけてしまった。僕はに近寄った。目の前に行って、しゃがんだ。
「お願いだから・・・・絶交なんか言わないで・・・・・ドラコの近くにいたいの・・・・」
は大粒の涙を流して、こっちを向いた。僕は耐え切れなくなって、をぎゅっと抱きしめた。
「さっきはごめん。父上から手紙が来たんだ。”そんなヤツと付き合うな”って。それが頭から離れなくて・・・本当にごめん。あんな事して、こんな事言うのもどうかと思うが、の事が好きだ。父上の言葉なんて、どうでもいい。僕はの事が好きなんだ。頭から離れない。すっごい好きなんだ」
もビックリして、涙が止まったようだ。
「私なんかでいいのかな・・・・?」
僕の腕の中にいるが答えてくれたので、僕はの顔の前に自分の顔を向けて、
の柔らかい唇に、自分の唇を押してた。どんなに甘い食べ物よりも甘くて、柔らかかった。
「僕と付き合ってくれますか?」
「はい」
照れているがまた可愛くて、またの唇にキスをした。