私は一冊の本を読んだ。それは、いろいろな詩が載っている本。
詩なんて全然興味なかった。だけど、お母さんのお気に入りみたいだったから、読んだらハマった。
本当にそうだなって思う事が沢山ある。本の影響って凄い。自分がそれに納得すると行動したくなってしまう。
うまく言葉になれない
私は、付き合っているロンの所まで歩いていった。
ロンはいつものように、談話室で漫画を読んでいた。
「ロン?ちょっと良いかしら?」
「ん?あぁ全然良いよ。何?」
「あ・・・なんか照れちゃう」
「なんで?」
「だって・・・あ〜・・・決めていた言葉を言うなんて初めてで・・・・・」
私は少し照れながらロンが座っていたイスに座った。
ロンはイスの上に乗せていた足を下ろして、マジマジと私を見てきた。
「そんなに見ないでよ!」
「いや、こういう時はちゃんと見ておこうと思って」
「もぅ・・・」
私は諦めが付いて、ロンの目を見た。
初めて会った時よりも何十センチも大きくなっていて、何倍もカッコ良くなっている。
「あのね・・・私、お母さんが好きだった本を借りて読んでみたの。その本は、"当たり前のように自分を愛してくれる人のありがたさを思い知れ"って言う本だったの。私達、付き合ってもう3年ぐらい立つわ。"当たり前"がどんなに嬉しい事かわかったの。ありがとう、ロン。これからもずっと一緒にいて」
私の言葉にロンは頷きながらも、真っ赤になっていた。
手で顔を隠し、その手の隙間から見える微笑んだ顔がとってもカッコ良くて、私は思わずトキめいてしまう。
「僕からもありがとう。がいつもいてくれて本当に嬉しいよ。でも僕は、"当たり前"にを愛していたいな」
そういってロンは私の頬を掴み、自分に引き寄せ、チュッとキスをしてくれた。
ロンの匂いが流れるように匂ってきて、とても心地よい。
「ありがとう、。僕はをずっと愛すよ」
そういってまたロンはチュッとキスをしてくれた。
少し汗ばんだ手が気持ちよかった。
当たり前ってこんなに大切なことなんだ。
当たり前にしてる事は、確実に誰かを喜ばす。ただ気付いてないだけ。
大好きよ、ロン。