あたしには、2年前からから付き合っていた彼氏がいた。
でも、去年の春、事故に巻き込まれて死んだ。あたしは彼が死んだ後、抜け殻のような感じになっていたらしい。



そして、それと同時に「好き」「愛する」という感情を失った。
感情を失っていたあたしを今の状態にまでしてくれたのが同じ寮のロン・ウィーズリー。

ロンは、悲しんでるあたしを元気にしてくれた。だけど別に付き合っている訳でもない。


ただの男友達。それだけだと思ってた。思ってたのに・・・。


ある日、ロンに呼び出された。

・・あのさ・・僕、の事好きだからさ・・・付き合ってくれない?」
「ロン・・あのね・・・」

あたしはこの時戸惑った。だってあたしは彼の事を忘れてない。
今でも彼が頭から離れない。ロンには悪いけど。あたしは、まだ恋愛が出来ないから。


?」
「・・ごめん。彼のこと、まだ忘れられないの
彼のこと本気で好きだったから・・・」

「じゃあさ、友達以上恋人未満でいいからさ・・それでもダメだったら僕、諦めるから。それでもダメか?」

「友達以上恋人未満・・うん。それだったら・・」










そう言ってから、半年がたって・・・
あたしはいつものように、ロンとおしゃべりをしていた。

「なぁ」

「何?」

ロンが、下を向いて話し出した。
あたしはロンとは反対に、空を見ていた。

「友達以上恋人未満の関係になってから」

「半年・・だね」


「やっぱ・・無理か?恋人になるってのは・・」

「あのね、あたし、実は・・わからないんだ。
『好き』とか『愛する』とか・・どんな感じだったのかな?って」

「じゃあさ、たとえば、明日僕が、いなくなったらどう?」

ロンが、顔を上げたのがわかったから、あたしもロンのほうを見た。

「いなく・・なる?」

「そう。何でもいいから、僕と、が全然会えなくって、声も聞けなくなったらどうする?」

は考えた。
そして出た結果は・・

「嫌だ。ロンは・・ずっと一緒に居てくれるんだもん」

「・・・僕、そんなこと言った?」

「うん。彼が死んだ時・・・病院で、あたしが泣いてたらロンが来て『僕がずっと一緒にいてやるから安心しろ』って、
あたしねロンがいなかったら、今、ここにいないと思う。
ロンがいてくれたから・・・
ロンがいつも、横で笑ってくれてたから・・・
あたしにとって、ロンは・・・っあ・・」

「思い出した?『好き』って感情」

「これがそうなのかな?
『一緒にいたい』って思ったり、『大切な人』って思うことかな?」

の考えは、それでいいんじゃない?」

「ロンは違うの?」

「僕は、鈍感だから・・・・・よく分かんないや」

そう言って、ロンは笑いながらあたしのほうを見た。
あたしもつられて笑った。

「じゃあさ、もう一回聞くね。
のことが好きです。僕と付き合ってください」

「はい!」


そして、あたし達はキスをした。














ロン、ありがとう。
あなたのおかげで、失ってた感情を、取り戻すことができたみたい・・。