「ねぇ、フレッド。今年のクリスマスどうする?」
「リー達とかハリー達とパーティーするつもりだぜ? もちろん、も参加決定済み!」
「・・・・・え?」
クリスマスぐらい、一緒にいようよ
クリスマスぐらい、私中心に動いてよ
To me it seems like X'mas is lost
フレッドの事、信じられなくなりつつある。
クリスマスって『恋人たちのクリスマス』って曲があるほど大切な日なのに・・・・
他の人なんていらないよ。楽しく騒いでなくても良いから、2人っきりが良い。
「フレッド!パーティーの時なにを持ってくれば良い?」
「そうだなー・・・ハリーなら大量のお菓子で」
「買えるわけないだろー」
「何を言ってるんだ、金持ちハリーが!」
他の人に笑顔を向ける。
私には、なにも言ってこないのにね。 言ってきたとしても、つまらない事。
「はなにしたい? パーティーで」
「なんでもいい」
いや、私がつまらない方向に持って行ってるんだと思う。
「どうしたー?最近元気ないけど」
「クリスマスを・・・・なんだと思ってるの・・?」
「そりゃ楽しく過ごす日さ!皆で大騒ぎしてね!」
「そう・・・・・」
考え方の違い。 少しの違いが、心に小さな"傷"を付けていく。
まるで本当の傷が出来たみたいに、痛いよ・・・心拍数が凄いよ?
「そっか・・・楽しもうね!」
精一杯の笑顔で、フレッドと"別れる"。
なんにも思ってないフレッドは大きく手を振り「迷子になるなよー!」と子ども扱いをする。
普段なら「子ども扱いするなー」って言い返せるけど、今は・・・無理。
余裕が無い。
「・・・変なの・・」
ポツリと聞こえたフレッドの声。
変なのは・・・アンタだよ。
「「 ハッピー ハッピー クリーースマスッ!!」」
誰かの誕生日のときに使ったクラッカーを貯めておいたのかな。
マグル物のクラッカーを高々と放つ。
「今年も大騒ぎで行こうぜッ!」
「リー! ゲテモノジュース一気飲みしちゃえ!」
「俺が死ぬだろー!」
ハリー厳選、美味しいお菓子をポリポリ&ボリボリ食べ始める。
私も・・・なんか食べようかな・・・。
目の前にあった一口サイズのチョコを口に含む。
「・・・ッ!」
チョコの真ん中は空洞で、そこには人掬いぐらいのお酒。
しかも結構度が強いヤツ。
「ごほ・・ゴホッ!!・・・ぅ゙・・!」
お酒の匂いからしてダメな私にとって、苦しくてしょうがない。
喉が熱くてしょうがなくて、咳が止まらない。
「マグル製、お酒入りチョコ! これは俺ら厳選!」
「テキーラってお酒が入ってるんだってサ」
「「 を酔わせる作戦大成功ー! 」」
お腹を抱えながら笑うフレッドとジョージ。
ひっさしぶりに、2人のイタズラに嵌ってしまった。
「女の子にイタズラするなんて・・・ッ!」
ハーマイオニーは私の背中を一生懸命擦る。
体が熱くてしょうがない。
「・・・熱・・ッ」
「え?」
「脱ぐ」
は服に手をクロスして掴み、一気に脱ごうとする。
「きゃーーッ!! だめだめ!」
「「「わッ!!」」」
ハーマイオニーが必死に服を下ろす。
「アンタ、この服以外着てないんだから!!」
「だってあちゅいー・・」
完全に酔っ払ってる。
「ヒッ・・だって・・・・熱い・・ハーマイオニーの意地悪ーーッ!」
はボロボロと涙をこぼして、ハーマイオニーの洋服で涙を拭く。
「ってお酒ダメなんだねー」
「フレッド、あんたの彼女でしょ! 世話してよ!」
「服脱がれたら、俺どうなるかわかんないぜ?」
「彼氏ならちゃんと面倒みなさいッ!!」
無理矢理ハーマイオニーにを押し付けられ、「外の冷たい風にあたらしてたらお酒抜けるから」とアドバイスされたので、を負んぶしながら外に出た。
「、お酒抜けた?」
「うぃー・・」
「ココは外国じゃねぇって・・」
「しゃむいー・・・あちゅいーー」
「どっちだよ」
は俺の背中で包まっていて、まるで小さな子猫みたいになっているのが分かる。
「おりょして・・・」
「ん?あぁ・・」
はフラフラの足つきで俺の目の前まで歩く。
「フレッドぉ・・・」
服を掴んで"しゃがめ!"って言っているように、服を何度か引っ張った。
しょうがなく、の目の前に顔が来るように、足を曲げる。
すると、の熱い手は俺の顔を掴む。
「フレッドは私の事彼女っておもうー?」
「思うよ」
「クリスマスはフレッドと過ごしたかったぁ」
「過ごしてるじゃん」
「ハリーとかジョージはいらにゃいよぉ・・・フレッドと2人っきりがいいのぉー!」
涙をボロボロこぼしながら、俺の髪や顔を触りまくる。
泣いている姿を「可愛い」とはいえないけど、愛おしくは感じる。
その代わりに、何かがプツリと消えそうになる。
「だ・・・・だいぶ、酔いが冷めて来た? ココは寒いし談話室に戻ろうぜ」
の手を掴むと、手を叩かれた。
「なんで帰そうとするの?」
「寒いだろ? 皆も心配するし・・・」
「これじゃ・・・クリスマスの意味無いじゃん」
は両手を顔にピッタリとくっつけて、声を出しながらワンワン泣く。
「付き合ってるにょに・・・・これじゃ意味にゃいじゃん・・・・!」
「な・・・ッ!」
「一緒に出かけたりしちゃかったにょに」
「・・・欲求不満?」
ポケットに手を突っ込みながら、フッと笑うフレッド。
それにカチンと来ちゃう。
「フレッドと一緒にいたかっただけだもんッ!」
叩こうとすると、フレッドに手を掴まれた。
じゃぁ逆で!って感じに手を振りかざすと、またもや掴まれた。
「2人っきりだった俺、なにするか分かんないし」
手を引っ張って、私をぎゅっと抱きしめる。
少し震えてる体と、心拍数がもの凄い事になってるフレッドの心臓。
「前みたいに、が怖がってる中したくないし。あん時、自分を忘れてたから・・・またなったら・・怖いじゃん?」
頭を何度も撫でる。
大きなの手の平が心地良い。
「それでも良いからフレッドといちゃい・・・・他の人とはいやだぁーッ」
今回は、私から攻めてしまった。
記憶はないけど、そうだったらしい・・・・。