この愛だけは.....09
「なんて事してくれんのよ・・・ッ!!」
「殴る? えぇ、良いわよ。でも、私の友達が貴女の見方をするとでも思って?」
く・・っ!
こんなの 私が殴ればアホらしい悲鳴をあげて「この子がした!」と騒ぐつもりだろう。
そんな手に乗りたくない。でも、乗ってしまう・・・行動派の私。
「手・・手は出さないわよ! どうせ、騒ぐ気でしょ!」
少し、大きな声で怒鳴った。
すると、ニヤリと笑うエリザ。
「ひど・・・・そんな事言わなくたって・・ッ! うわぁぁ・・んっ!」
エリザは友達の腕の中に縋るように抱きついた。
これでもか!ってほど大きな声で泣き出して。
庭には、これでもかってほど生徒がいる。
チラリと横を見れば ギョッとした顔でこちらを見ている生徒達。
「おいおい、なにしたんだよー」
「男っぽさ、少しは直せよなっ!」
男子集団が、地べたに座りながら笑っている。
とてつもない羞恥心。
私は、まったく悪くない。 だけど、なんか嫌になってくる。
息が・・荒れてきそう。
「こらーーっ! 俺の親友を悪くいうなっつうの」
さっきの男子集団の脇をこしょこしょ っとくすぐる。
「わりぃ」と言う言葉も、変になってて。
「で、なにがあったわけさ?」
言葉がおかしいって。
「シリウス・・聞いて!この子、私に悪口を言ったの!」
「がそんな理不尽なことするわけ無いだろ、気のせい 気のせい」
「彼女を信じられないの、シリウス!?」
エリザを抱きしめてる友達が、煽るように言う。
その言葉にシリウスは なーにも感じていない様子。
「と俺は幼なじみ。がどんな奴かってぐらい、ホグワーツで一番わかってるつーの。エリザがなにかしない限り、はなんも言わねぇよ」
「・・・・私には言ったのよ?」
「なんて言ったのさ?」
「シリウスから貰った物を私にすっごい自慢してきて・・・『やめてよ』って言ったら、わざとガケに落として『別れさせてやる』って・・・・私が戸惑ってたらね、が『あんた邪魔なのよ』って・・・」
エリザは目をずーっと開けておいて その痛さで涙が出てくるような裏工作までしていた。
一応、筋は通っているけど、変な事ぐらい誰にだって気付く。
シリウス・・・お願い・・
「はしないって」
「・・・・・・・は?」
「はしねぇよ、そんな事。気のせいとかじゃね?」
シシシ と笑って、ガケから顔をのぞかせる。
「ううーー!おっかね! でも、こんなのは俺にとっては朝飯前!」
杖をフイと振れば、ネックレスが浮かんでくる。
さすが・・こういう術だけはちゃんと出来るんだね。
「ほら、取れただろ?自分で降りてとろうとしただろ? は子供か!」
「いや・・私、なーんも言って無くない!?」
「顔が言ってた!」
「顔は喋らないし」
「まーな!」
私に笑顔を向けるシリウス。
その後ろからは、ムカ付きすぎて青筋を立てているエリザ。
後ろ・・・見ないほうが良いよ。