この愛だけは.....07
ネックレスをすぐさま首に付けた。
揺れながら、胸元に何回もあたる。 シリウスが合ってきてるって思っちゃう私って変態だね。
3回に一回は行っていたドゥレッサーの店に行くと、
「カップルになったみたいだな!じゃぁ、オマケにコレやるよ!」って言われて、
おもちゃの指輪を貰った。
そこには、私とシリウスの名前が魔法の字で書かれていた。
文字が色々な字体になって、ハートがドクドクと微妙に動く。指につけると、動いているのがわかって面白い。
「そんな物つけるなよなー」
「だって面白いじゃない! それに可愛いし」
ガラスなのに、キラキラ輝いて本物の指輪みたい。
「エリザに見つかったら、なんていわれるか・・・」
「ドンマイ!」
取りたくないよ。
無理矢理引っ張られても取るもんかッ!!
「ていうか、ドゥレッサーの店に行ったせいでもう時間ねぇじゃないかよ」
「良いじゃん。どうせ私達の学年になったら2週間に一回あるんだから」
「その二週間が長ぇのに・・・」
シリウスはショックを受けたように頭を抱える。
「あれ・・・・?」
一瞬だけ、目の前にエリザが見えた。
凄い形相で私を睨みつけていたのに、勢いの強い風が吹いて一瞬見えなくなったと思ったら、消えていた。
「どうした?」
「いや・・・さっきソコにエリザがいたような気がしたんだけど」
「気のせいだろ。ここら辺は俺らのような悪戯ヤローしか来ねぇよ」
「俺"ら"って・・一緒にしないでくれる?」
「お前は仲間だっつうの!」
私の肩を無理矢理掴んでグラグラと揺らす。
扇風機の前でアーー と言ってるような声になってしまった。
「ブッハッハッハ!! なんちゅー声してんだよ!」
「アンタが揺らすからよ!」
「ナッハッハッハ!」
笑い声変わってるし。
あれから遅れないように一生懸命走って集合場所まで戻った。
リリーもジェームズもラブラブモードに突入していたせいで、リーマスが呆れまくっていた。
「わー・・・ウザってぇ・・」
「わかるよ、リーマス。2人のラブラブモード中って、石を投げつけたくなるもんね。」
「それ怖いから」
・
「楽しい時間って本当にすぐ終わっちゃうわよね!」
「はいはい・・・ラブラブするのは二人の時だけにしてくれない? 見てたら腹が立って・・・」
「だってジェームズったらね、」
また始まった。
次の授業が始まるチャイムに気付いた時ぐらいにか、話は終わらない。
しかも新しい事は2個ぐらいしかなくて、他は何回も聞いたことある話。
初エッチのジェームズの優しさ・・・とかなんとかを、題名をつけてまで話してくる。
・・・・ウザ・・ッ!
自分の世界に入っているリリーはほっといて、そそくさと前へ歩く。
「あ・・れ?」
胸元を触ってみれば、あのアクセサリーが無い。
言っちゃ悪いけど、安物だったから、すぐ外れて何処かに落ちている。
「またー・・・? 小さいし見つからないのよね・・・」
一応、シャツを引っ張って、パタパタと仰ぐように動かしても、なにも出てこない。
ただ、落ちてきたのは、フードの中に入っていた付け爪。
綺麗な黄色で、ビーズぐらいの大きさの玉が何個か付いている。
ここまでしたくないなぁ・・・時間が勿体無いし。
乾くまでにちょっとでも動かしたら、ポロッて落ちそうだもんね。
時間のムダムダ・・・
そう思っていたら、見たことあるモノだ と言うことに気付いた。
エリザのだ。
エリザの爪は長くて、いっつも何かくっついていて・・・・
他にこんな事している人ってエリザしかいないし・・・・
ふと、外を見てみれば手元に何か持って、友達と笑いあってるエリザ。
手元には・・・キラキラ光るもの・・・・
もしかして・・・私のペンダント・・?