この愛だけは.....05
やっぱりシリウスを忘れられない。 それにリリーを裏切れない。
「ジェームズ・・・私、アンタとはムリだよ。シリウスが一番なんだもん。」
気取ったセリフと思われるかもしれない。
だけど、シリウスが一番なんだもん。 ジェームズと一緒にいたら絶対思い出しちゃうよ。
「ごめんなさい、ジェームズ。リリーを大切にして。リリーはあぁ言ってるけど、ジェームズの事大好きなんだから。リリーがアンタの事で泣いたりしたら怒るからネ」
「オーケェ」
ぎこちない感じに言う。 信じるよ、ジェームズ。
「やぁ、。」
シリウス・・・・なんでこう悪いタイミングで出てくるか、このアホは。
「ハロー、ワンコ」
「ワンコって呼ぶなっつうの!」
「いや、アンタは犬だから」
「俺は狼です。アッチのほうでも"オオカミ"です。」
「はいはい」
やっぱり下ネタ大好きな年頃。 いかにも面白い話をしてるぞ!って感じに笑いかけてくる。
はっきりいってどーも思わないんだけどネ。
「エリザとシたの?」
「まさか!手を出せないよ。 頑張ってもキス止まり」
「へぇーーーー・・」
"へぇー"と伸ばしすぎた。いかにも、戸惑っているって感じで。
バカじゃないの、自分!!
「そうそう! 明日のホグズミートだけどさ、一緒に行こうぜ!」
「は?」
なーにを言ってるんだ、このアホは。
「エリザと行けば良いじゃない」
「エリザが友達と行く約束をしちゃってたらしいんだ。 それに、エリザに何をあげたらいいかわからないし。ほら、女だし、少しぐらいはわかるんじゃないかなって!」
「別に良いけど、私の趣味が合うかどうかまで、知らないわよ?」
「あぁ、それは100も承知さ!」
良いのか、悪いのか分からない結果。だけど、結果オーライと思おう。
チャンスだと思えば、そこまで思わないしね。
「エリザの好きな物って何?」
「キラキラ光るもの。嫌いなのは怖いもの。」
「キラキラ光って言ってる時点で気付こうよ。指輪とか、ネックレスが喜ぶわね。」
「さすが!」
「いや、気付こうよ」
なんだ、ちゃんと話せてるじゃん。
怖くないよ。 シリウスとずっと話していよう。 元の自分を忘れないように。忘れたら終わりだと思おう。
一瞬でも、シリウスを嫌いにならないこと。
嫌いと思った途端、諦めよう。 そう、覚悟した。
覚悟しておかないと、"でも" "だけど" って考えちゃうから。
相手に求めるな。 自分のした事に公開を持たないように。