どんなに好きだとしても、
こんなに幸せいっぱいでも、
辛い事だってある。
すべてが幸せになるはずがないもの。
プラスがあれば、マイナスがある。プラマイゼロなのよ。
人生苦があれば楽もあり って言葉があるほどだから。
だから、我慢しなきゃいけないの。 って、
自分に言い聞かせなきゃ。
じゃないと、我慢できないよ・・。
THE SUN
朝起きて、制服に着替えて、なにかと準備して、女子寮の階段を降りる。
すると、毎朝毎朝フレッドとジョージが私を迎えてくれる。
輝かしいほどの笑顔。
キラキラ輝いてるって訳ではいないけど、
すぐさま目がいってしまう。 目が離せないとは、この事だろう。
「おはよう、!」
「おはよう、ジョージ」
「ご機嫌いかが?」
「もちろん、絶好調!」
「「さっすがー!!」」
2人が私の頭をクシャクシャして、「セットが乱れる!」と毎回同じパターンの会話をする。
周りから見ればつまらない事でも、
誰かから見たら腹立つことでも、私にとっては幸せなんだから。
「セットが乱れるっつったって、ショートヘヤーでくせ毛なんだから、変わらないっつーの!」
「それひどぉーぃ!! これでも頑張ってセットしてるんです!」
「どうせなら、俺たちぐらいに切っちゃう?」
「も赤毛だし、赤毛三兄妹になれるぜ?」
「勘弁! そんなに短い髪とかありえないし! 坊主が伸びたような髪とか普通に無理!」
「言うねぇー・・」
「おしおきッ!!」
そういっては、また髪をグチャグチャにする。
嫌とは口では言っているけど、このコミュニケーションがなければ面白くない。
楽しみの一つでもあったりする。
「あーあ!今日はレンダラス授業だよ・・」
「アレ本当に面倒くさいもんなぁ・・」
レンダラス授業っていうのは、
各寮で欠点教科(10段階でいう2や1)の人達が集まって、
2週間ぶっ続けで勉強させられること。
2人は占い学と、魔法史はほっとんど消しゴムを投げ合ってるせいで、
欠点ばっかり。
「もう・・・8日後にデートしよって約束したのにぃ・・」
「すぐさま終わらして買えって来てやるって!」
「8日もおあずけは辛いから、」
「その分愛させてもらいます」
フレッドが私の顔に近付いてきて、頬骨にチュッとキスをした。
まぁ、寂しいけど。
たった8日だし!! 我慢、我慢。
・
フレッドとジョージがいないって事は、私にとっては辛い。
でも、他の人からはラッキーな時でもある。
つまらないから机で伏せていたら、少し太めの本で叩かれる。
すぐさま顔を上げれば、誰もいなくて、叩かれた本だけ床に落ちていた。
そう、嫌がらせ。
度は過ぎていない程度の嫌がらせ。
フレッドとジョージがいない時に限って姿を現してくる。
誰がやってるかも分からない。
別に怪我するわけじゃないけど、苛立ちは募る。
「(トイレ行こっと・・)」
別に出るもん無いけれど、それが何か逃げ場みたいで。
・
「なんでこうネチネチ来るのかねぇ・・・・」
便座を降ろして、嫌味ったらしく言葉を吐く。
約束のデートの日ももう少しなのに、全然帰ってくる気ないし。
"ガチャン!!"
隣のトイレに誰か入った。
別にそんな事は気にならない事だけれども、2人がいない時は気になる。
水をかけられるんじゃないか って少し不安になるから。
"ジャーーッ"
遠くで、バケツに水を溜める音がする。
「(来た・・・ッ!!)」
必死に防水の呪文を思い出しながら、掃除だと思い込む。
「おーっと、なにしちゃってんの?」
「ココのトイレ、がいるんですけど。」
「「そりゃー水もしたたる良い女だけどもネ」」
バケツが落ちた音と、2人分ぐらいの足音。
「ーー!早く出てこないと」
「パンツ降ろしてる姿を見ちゃうよ?」
"バーーンッ"
「パンツなんか降ろしてない!!」
「「やーっと出てきた!!」」
「・・・てゆーか、なんで知ってるの? 私が・・その・・・・いじめられてたって・・」
「テレパシーで って言いたい所だけど、」
「俺たちが占い学の授業中の時、暇すぎて、水晶でを眺めてたら、丁度あの子らも写ってね」
「女の子には暴力する訳にはいかないけど、男だしね。さっき殴ればよかった。」
「・・・・・は?」
「気付かなかった? さっきのは男だぜ?」
「俺たちを好きな男共。おホモ達のお誘いは前からあったしな」
「がいなくなれば、俺らがソッチに向かうとでも思ってたみたいだしなぁ・・」
「「俺たちの中ではが一番なのになv」」
2人からのほっぺチューがあったけど、すっごい複雑な気分・・。
うーん・・・2人が助けてくれたのは、嬉しいんだけど・・
相手が男って・・ ていうか、女子トイレに入ってきちゃってるし!!
複雑・・。
「ねーねー」
「俺たちにが6日も禁欲してたんだぜ?」
「トイレプレイもチャレンジしてみる?」
「勉強してこい!!」