沢山構ってほしいだけ








目が悪くなり、最近メガネをかけ始めたダン。
オシャレ眼鏡をかけちゃってさ。
何気に似合ってるのがむかつくー。



ルパートもトムとゲームして一日中盛り上がろうと
コンビニでお菓子やらカップ麺などを買ってきて、一気に食べ始めた。


「うどんと蕎麦の違いって何?」
「麺の太さじゃない?」



適当な会話ばっかりして、
テレビ上では面白くない事も、この会話の中では爆笑ネタだ。
うどんを噴出しかけながら、遊びたいが為に早めに食べる。


「眼鏡がくもる・・・」



そういってハリーの眼鏡よりも何倍もカッコイイ眼鏡を机に置く。
それを勝手に奪って、自分にもかけてみる。

鏡を見てないから似合うかどうか分からないけど、ダンの眼鏡をかけてるってだけで嬉しい。




「似合ってる?」
「黒よりも薄ピンクの方が似合ってるかもね」
「やっぱりー?」


うどんを口に流し込みながら言うルパート。
それを笑いながら返事する私。

私たち全員が、子供の頃から芸能界へ進出してるせいで、
普通の子みたいに夜遊びも、ゲームでオールする事だって出来なかった。
だからこんな状況で遊べるのが嬉しい。




ルパートとトムが先に食べ終わって、ゲームを始めた。
二人用のゲームをしているせいで、ダンと私は会話を始める。


突拍子がない話だったり、
どうでも良い話だったり、
仕事の調子だったり。




「あー、 ちょいタバコ吸ってくる」
「またー? 吸いすぎよ。一日20本も吸ってたら体に悪いって」
「エクウスは仕事上だったけどさ、確かに吸いすぎだぜダン。」
「大丈夫だって」


最近悪い事を覚え始めて、ちょっとだけ扱い辛い。
お酒も結構増えてるし。



「心配させないでよね」



ダンの足を軽くパンチして、見送る。
本当に心配してるんだからね。ばーか。




「ありゃ将来肺ガンだぜ?」


ケケケッと笑いながらゲームを続ける。
私も笑いながら、2人がしてるゲームをみる。

マリオとかの有名どころならしてるんだけど、もうゲームなんてしていない。
格闘ゲームは見るのが初めてなのもあって、
軽い説明を聞きながらゲームを見ている。




 "ガチャッ"


「おかえり。早かったねぇー」
「あーダン。もうちょっとでステージクリアするから交代しよーぜ」
「OK。眼鏡返して」



後ろ向きに伸ばされた手。

なんか、眼鏡を外すのが勿体無い感じがする。
何でか分からないけど、まだかけていたい。 理由は気分的に・・かな。



だから、伸ばされた手をパチッと叩く。



「返せーー」


といいながら、私の後ろに立ち尽くす。
こんなじゃれ合いも楽しみなのもあって、後ろに顔を背けながら笑う。

ダンの両足が私の体をはさむ。


眼鏡のレンズの部分を手を伸ばして取ろうとするけど、その手を離して防ぐ。



「ゲームできないって」
「テレビぐらい見えるでしょー」


構って欲しい女心。
それを察したのかそれ以上に触ってくる。

眼鏡をかけている耳をチョロッと触ってくる。



「・・・っ!!」


声にならない声がでる。

そう。私は耳が本当に弱い。
くすぐったいのもあるけど、他人に触られると、肩がグワッとあがってしまう。




「耳弱いんだからやーめーろー!!」
「だったら眼鏡返せって」


耳たぶや、耳の淵とかを軽く当たるぐらいにして触る。
ゾワゾワしてきて、もう眼鏡を取り返すっていうよりギブアップをするかしないか の戦いになる。

私自身もめがねを外して机の舌に手を伸ばして隠そうとする。



それを取ろうとして体をくっつけながら手を伸ばしてくる。
逆の手は、脇の下から胸を掴みながら。

ルパートとトムはラストスパートでこちらに気付いてない事を良いことに、
ダンは楽しそうに動く。



後ろから抱きしめられるように愛撫されて。

弱い耳に唇を近付けられて息をかけられる。





2人が近くにいる。
でももっと構って欲しい。

人前でイチャつくのも、他人はいやだろうけど私は嬉しい。



「ちょ・・ッ・・・・ッ!!」
「我慢って辛くない?」
「・・・・ばか・・ッ」


そういった瞬間、眼鏡を取られてて動きが止まる。



「今度眼鏡とってきたらこれ以上するからね」


軽く耳を触ってメガネをかける。




ゲームが終わったら・・・眼鏡とろっかな。