"有名"になるために産まれてきたんじゃないよ?




"偶然"が重なっただけ・・・・無理しなくてもいいからね。







今まで色んな人に『有名なハリー・ポッター』と言われて、



腹が立っていた思いが、消し去ったような気がした。











 君がいるから笑顔になれる











「ハリー・・・どうしてそんなに頑張るの?」
「頑張らないと、『有名なのは嘘だった!』とかって言われるんだぜ?」
「ハリーは有名でいたいの?」
「・・・そう言うわけじゃないけど・・・・」
「ハリーが『有名』なのは産まれてアノ出来事があったから有名になっただけで、有名になるために産まれてきたんじゃないよ? "偶然"が重なっただけ・・・・無理しなくてもいいからね。 ハリーが頑張りすぎて、疲れるのはイヤだからネ」




とってもホッとした。
には、なにもかも見透かされてる気がする。

僕が、何をしたがってるとか、なにを欲しがっているとか。
夫が「アレ」というと、妻が「はい」と物を渡すみたいに。




「ハリー!」
「ん?」
「コレ見て!・・あ・・・・なにか嫌な事あった?」



気付いてくれた。


「いや・・・クィディッチの練習でロンに向かって投げたら、思いっきり顔に当てちゃってさ・・・・今気絶中」
「そっか・・・でも、ロンだって前ハリーの頭にぶつけて、稲妻以外に傷をつけたじゃない」



はほっぺを膨らませて、少し怒る。

その姿がとっても可愛い。
そして、僕の事を思ってくれている君が愛しい。




「ハリーに一生残る傷をつけたら、私に殴られるってロンは分かてなかったみたいだけどv」


・・・怖ッ!



「あ・・が僕に見せようとしたものって?」
「あぁ、コレなんだけど」



は雑誌の切抜きを僕に見せる。



「ハリーが欲しいっていってた、洋服があるでしょ? 何色かわからなかったから・・・・」



は切り抜きを広げて、僕が欲しがっていた服を指差す。


指差された写真の中の人間は、誇らしげに服を見せびらかしていて、
他の色の服を着ているヤツはブスッと膨れた顔になる。




「私は、ハリーだったらなんでも似合うと思うんだけど・・・・コレはどう?青の・・・」
「僕もそれが良いって思った」
「じゃ、決まりv」



は僕の目の前でニッコリ笑う。


ニセモノでもなんでもない。
本当の笑顔。 ダーズリー家にいた時は、見ることが出来なかった顔。

の笑顔はとっても純粋で、他の人の笑顔の何倍も輝いている。
細くなる目。その目で僕はどう写ってますか・・・?





僕はの腕を引っ張って、チュッて唇にキスをする。
はなにも抵抗しなくて僕のキスを受けとめる。




「どうしたの?」
「別に。キスしたくなったから」
「ハリーのキスだったらいつでもいいけど、突然はやめて。皆見てるわよ?」


皆・・・・皆!?
周りには結構人がいた。しかも、結構な大人数。




「ごめん・・」
「別に謝る事無いよ? キス出来て嬉しいもん」



が、また笑顔を見せてくれた。
太陽よりも輝いている、君の笑顔。




君がいるから 笑顔に慣れるんだ。