僕はもう17年生きている。


だけど、僕が予想する事以上の出来事が毎日のように起こる。
約6000日生きているのに、初めての出来事があったりする。

特に・・・・・君の事とか。







  知らない事












「ねぇ、
「どうしたの?」


長い髪を耳に掻けながら僕に笑いかける。その仕草がとても可愛い。
なんでこんなにも美人なユリが僕の彼女になってくれてる事が奇跡過ぎる。



「髪にゴミついてるよ?」
「嘘・・ッ!?」
「あ、そんなに適当にしないほうが良いよ・・絡まるから。取ってあげるよ」
「ホント?」


は少し頭を下げて、僕に頭のてっぺんを見せる。
僕たちの背の差でいうと、の頭のてっぺんなんて簡単に見えるのに。

頭のてっぺんっていうより、後頭部かな。


少し絡まり気味のゴミを手は取ろうと頑張っているんだけど、僕の目線は、うなじからブラウスの間の肌がとっても気になる。
前僕が付けた痕がまだ消えていないようでまだ赤い。また付けちゃおうかな。


「取れたよ。ちょっと髪の毛痛んじゃったけど・・・」
「ありがと!いいよ髪の毛ぐらい。どうせ伸びたら何時か切るんだし。それに髪痛みまくってるから大丈夫!」
「何処が痛いんでいるんだよ。痛んでるって言うのはハーマイオニーみたいな髪型さ」
「あら、失礼ね。これは痛んでるんじゃなくて産まれ付きなの。ごめんなさいねぇ」
「うわッ!!」


何時の間に僕たちの真横に来ている。
オバケみたいだな・・・・。


「私はオバケじゃないからね」
「心の声を聞かないでよ」
「思いっきり顔が出てるわよ。と勉強する予定だったんだけど・・・・を渡してくれない?」
は僕の物だよ」
「人はものじゃないの。私より勉強が出来るに聞かなきゃわからない事なの。」
「人に聞いてばっかりじゃなくて、自分で考えないと!」



僕はの肩をガッシリと付かんでハーマイオニーに取られないように力を込めた。
その光景を見て、ハーマイオニーは白目をむきながら呆れた顔になる。


「いいわよ、もう・・・・そんなにが大事ながら首輪でも付けて置いたら?ドラコに触られないようにネ」


嫌味なのかは良くわからないが、妙にイラッとくる。





「・・・・ドラコに触れられないように・・・どういう意味かわかる?」
「さ・・・さぁー・・」

明らかに棒読み。絶対何かを隠している。僕にとって不快な秘密を。
聞きたくないのに聞いてしまう矛盾。


「ねぇ、なにがあったのさ。隠さないでよ」
「隠してなんか無いよ?言うようなことじゃなかったし・・・・・あのね、ここのマントが破けてるでしょ?図書館の本棚で引っ掛けちゃって、知らないまま歩いたら、こう・・・グッと引っ張られて扱けそうになったら本棚に当たって、上から何冊も本棚から本が落ちてきて、当たりになったらドラコが庇ってくれたの。」
「魔法を使って?」
「そんな暇なかったから、私の上に来て四つん這いみたいなスタイルで助けてくれたの。」
「四つん這い!?」


想像しただけで気味が悪い。そこまで寒くないのに鳥肌が一気に湧き出てくる。


「で、起き上がろうとしたらドラコが抱きしめてきて・・・『大丈夫か?』って聞かれたから『大丈夫』って言ったら、『そうか』って言って走り去っちゃったの。」
「抱きしめ・・・ッ!」


信じられない。頭が痛くなってきた・・・


「どう抱きしめられたの?」
「そんなの覚えてないよ・・・・・ただ抱きしめられただけで・・・」
「何処触られたんだよ・・・」
「そんな覚えてないに決まって・・ッ!ちょ、ハリー!!」


行き成り抱きしめられたかと思ったらブラウスの中に手を入れられた。
冷たくなってきた手をユリの温かそうな背中にくっ付ける。


「抱きしめられて、こんの事された?」
「手が冷た・・・されてないよ・・」
「うなじの所に付けた痕がまだ赤いのって可笑しいよね?」
「ハリーがあんなに強く吸ったから消えないだけだよ・・・・ね、ここ廊下だよ?」

「使われてない教室でエッチしたじゃないか。だって楽しそうだったし」
「アレは皆通らないじゃない・・・・ココは皆通るんだよ?」
「透明マントを持ってこようか?」
「その間に逃げてやる」
「じゃ、このままでも良いよね?」
「良い分けないないでしょ・・・」


は僕の腕を服の中から取り出して、の小さな手の中に入れる。


「ドラコにそんな事されてないし、してたらハリーの近くになんか来れないよ。なんにもされてないし・・・ね?ドラコとは従姉弟同士だから、心配してただけだよ・・・・」
「・・・・・・マルフォイと従姉弟・・?」
「あれ・・言ってなかったっけ?ドラコのお父さんと私のお母さんが姉弟なの」
「知らなかった・・・・」


なんで今日はこんなにも知らないことが発覚するんだろうか。


「なんでそんなに疲れた顔するの?」
「だってそんな事知らなかったし・・・・」
「教えてなかったんだもん。当たり前だよ。でも、ハーマイオニーは何故か知ってたよ?」


・・・・だからか。僕にあんな事言ったのは。


、今度から僕に何でも言ってね」
「どうして? 全部言ったら面白くないじゃない。相手の知らないことを自分で調べたり、長い年月をかけて知ることは良い事よ?私だってハリーについて知らないことはいっぱいあるもん。好きな音楽とか、寝る前なにをしているかとか。今全部知っちゃったら、将来一緒になったらつまらないでしょ?」


ニッコリ笑うに僕は納得をしたかのように首を縦に振る。
いつの間にか笑顔にもなっているし。


相手の事をもっと知りたいと思うのは僕だってだって同じだろう。
すべてを と思うのに、知らないことは次々増えていく。

すべてを知るときは、一体何時になるのかな。
この矛盾さがいいのかもしれない。 こんな微妙な感じが、僕らにはいいのかもしれない。