牢屋の中
牢屋の中。
楽しみなんて、なにもない。
ただ、ボーーッと壁の傷を見たり、指の爪が長くなっていく事を見るしかない。
あと、君と過ごした楽しい思い出を、思い出すしか。
「ブラック・・・そんなに苦しいなら、ディメンターに殺してもらうか? クックック・・・」
「やってもらえよ」
お向かいやお隣は毎日同じ事を言ってくる。
「俺はこんな所で死なない。 が待っているから」
「ハッ! お前がアズカバンに来て、もう6年だぞ?お前の事は忘れてる!」
「嫌、忘れてないと思うぞ。 コイツは俺達よりも酷い大犯罪者だからなぁ」
「なるほど。 信じてたヤツが史上最悪の手下だからなぁ!」
「俺はそんなんじゃない!」
「6年以上前の事だから、記憶から抹殺しちゃったのかい?」
うざったい。
俺は犯罪なんか犯してない。
親友を裏切るものか。
を裏切るなんて、絶対ありえない。 大切だから・・・大好きだから。
「シリウス!」
「・・・」
「どうしたの? 熱が出てるの・・・?顔、赤いよ?」
「が裸で俺の前にいるから」
「アンタが脱がせたのに?」
俺が付けた赤い痕が、体中に咲いていて、
いかにもさっきまでしてました! と言う感じに、シーツや布団が乱れている。
それを無理矢理引っ張って自分達にかけた。
「俺の服を脱がしたのはだろ?」
「脱がさないと続きをしないって言ったのは誰だっけ?」
は笑いながらも、布団に潜る。
でも、の小さな手が僕の体に当たる。
その部分だけがとっても暑くなって、熱を帯びる。
「きゃ・・ッ!」
その手を無理矢理引っ張って、僕の元へ近づける。
小さな体に大きな胸は少し不釣合いだけど、僕の性欲を引き立てるのには十分だった。
その気持ちを少し押さえながら、の小さな背中を撫でる。
「手つきがエロイ」
「ムードを大切にしろって」
「シリウスにムードを求める方がオカシイわ」
「ハハッ!」
の言葉に、笑ってしまった。
この時間が永遠に続くと思ってた。
「ブラック! 飯だ。早く食わねぇと、ビックなゴキブリちゃんに食べられるぜ?」
その言葉に一気に目が覚めた。
夢だっていうのは、夢を見てる時点で思っていた。でも、今現実に無理矢理戻されたのが辛い。
「飯なんていらねぇよ」
「じゃぁ、俺が貰う」
君へ会いに行きたいという気持ち
君に会わせまいとする世界
もどかしい気持ちがじれったい。