君の目には僕は映っていないのか?
本当の兄妹のように、恋愛対象ではないのだろうか。


だったら、兄妹じゃないよ って伝えようかな。


君は傷付くかもしれないけど、僕の自己満足のためにいってやろうかな。

























  Prisoner of Azkaban.....07

























「おい、お前等こっち来いや! 今日はお前等に面白いものをみせてやるぞ!!」


ハグリットの照れくさそうな笑顔で授業が始まる。
まだガヤガヤうるさいのはグリフィンドール以外の寮のやつらで、僕達グリフィンドール生は、期待ありまくりの笑顔でハグリットを見つめる。



「歩きながら、49ページを開け!」
「ハグリット・・・この本、どうやって開けるの?」
「背表紙を撫でたら大人しくなるさ。その前にあけたら、暴れるぞ」

ナッハッハ!!と笑いながら、草木を分けながら進む。



「わ・・・ちょ・・・きゃっ・・!!」


背表紙を撫でようとすると、その前に暴れだして地面に落としてしまった。


「もう・・・」

掴もうとすると、小さく暴れて、徐々に前に進んでいく。ビビり症の私にとっては、捕まえるのすら戸惑ってしまう。


意を決して掴み、背表紙を撫でる。
生えていた毛のようなモノは元気が無いように垂れ下がり、目玉も徐々に閉じていく。



、動くなよ」
「え??・・・きゃっ!!!」


真正面を見上げてみれば、白く大きな動物。
私の匂いを嗅ぐように頭やら背中やらをクンクン匂う。嘴のようなものがコツコツ当たるたびに身体が震える。

「大丈夫だ、! 立ち上がっても平気さ。バックビークは気性は荒いがいい奴だ」


恐る恐る立ち上がると、バックビークは私の背中をツンと押す。



「どうだ?美しかろう?? こいつらはヒッポグリフという種類だ。こいつらは誇り高く、貶した奴は許しはしない。だから誰も貶したりはすんなよ。んじゃ、誰かこいつに乗ってみるか? 、丁度良いどうだ?」
「わ・・私!? 無理よ、無理!!」

はそそくさと走ると、僕の後ろに隠れた。
やっぱり、ここぞと言う時は僕の近くに来るんだなと、少し嬉しくなる。



「ハ・・ハリーがしたいって!」
「・・え!?」

は僕を突き出す。


・・もしたいって!!」
「な、ハリー!!」
「んじゃ、2人がすればいいなっ」
「「 えーーッ!! 」」


ハグリットに行儀などを色々教えられた。
たまに暴れるバックビークにびくついて、ハリーの手を握る。そしたらハリーも握り返してくれて安心出来た。



「ほれ、触ってみろ」
「え・・・うん・・」

徐々に近付いて、バックビークの頬を触る。

「うわぁ・・・すっごいフワフワしてる・・・羽一本一本は大きいのに、フワフワしてるし、柔らかい・・」
「ほんとだ・・犬みたいフワフワしてるね」

「バックビークの機嫌もいいな、背中に乗せてもらえるかもしれねぇぞ!」
「え!?」
「まぁ乗せてもらえ!こんなチャンスは滅多にねぇぞ!」


ハグリットはハリーの体を持ち上げて、バックビークの背中に乗せる。

「ハリー、行ってらっしゃ・・」
ぐれぇの体重だったらまだ乗れるぞ!」
「え、やだ・・・ハグリット・・・きゃ・・・いやーーー!!!」


動物の背中なんて、馬すら乗った事無いのに!!

「ハリー、を捕まえながら羽の根っこを掴め。引っこ抜くなよ・・機嫌が悪くなるからな」


そう言って間も無く、バックビークに向けて大きく手を鳴らす。
驚いたのか、合図に反応したのかはわからないが、バックビークが走り出す。


「ハリー・・絶対手を離さないで!! 落ちる!」
「落ちないよ・・大丈夫!」



箒なら持つ所がある。
だけど、これは強く掴んでいいものかと不安になってしまう。



「あっはは!!楽しい!! ワーーーオ!!」
「ちょ・・・きゃ・・・・いやーーーーーーーッ!!!!!」



























「あっはっはっはっは!!」

飛んでる間はずっと笑っているハリー。私は気疲れをしてグッタリしている。



「楽しんだようだなハリー、!!」
「最高だったよハリー!」
「楽しかったけど、すっごい疲れたわ」

私たちを降ろしながら言う。そして、私たちに顔を近づけ小さな声で喋る。


「今日の授業はどうだった?」
「最高だったよ"先生"!」
「死ぬかと思ったけど、今までの先生よりかは何千倍も楽しい授業だったわ!」


私はガシッとハグリットに抱きつく。

「ハグリットは最高の先生よ? 今日のはちょっと怖かったけど、いっぱい色んな動物が見たい!」
「はは!任せておけ! 俺みたいに手馴れた奴なんてそうそういねーからな!」


ハグリットの顔は嬉しそうで、ニヤけている。
僕の頭もガシガシっと撫でていて。でもその手はとても優しかった。




、大丈夫か!!」



私を心配して、ドラコが近付いてきた。


「マルフォイ、止まれ!!バックビークに近付くんじゃねぇ!!」
「こんな得体も知れない化け物にビビったらを守れないじゃないか!」


ずけずけと近付くマルフォイ。
私たちの横にいたバックビークは徐々に興奮し始めて、マルフォイに今にも飛び付きそうになっていた。

「ドラコ、止まって!!」
「大丈夫さ・・・」


ハグリットが一時手を離すと、その瞬間にバックビークはドラコに飛びつき、大きく筋肉がついた足で引っ掻く。



「・・痛っ!!!」
「ドラコ!! バックビーク落ち着いて!!」


私は無我夢中に走ってドラコ目の前に立ちはだかった。



「バックビーク!! 落ち着きなさい!!人を傷つけていいと思ってるの!?」

興奮しているバックビークは今にも飛びつきそうだったが、ハグリットが縄を引っ張りそれを阻止してくれた。



「ドラコ・・大丈夫??」
「手が・・取れちゃう!! 痛い・・!!」
「事務室に行かなきゃ・・・!!!」