Prisoner of Azkaban.....04

















「ちょ・・・・ほんとに、待って・・」
「足りないのだろ」
「足りなくていいから・・・しかも、もう着いたよ?」
「着いても、数十分はこのままさ」
「ねぇ、ドラコ・・・・ほんとに・・降りよ?」


ドラコは渋々どいてくれた。
覆い被さってたから、視界が真っ暗だったのがいきなり明るくなったので、目がチカチカする。

「行くぞ」
「ちょ・・・・」


一息つきたいのに、離れるとそのまま立ち上がらせられて、コンパートメントから出る。

肩をガシッと掴む。
歩きにくいはずなのに、なんでこんな事したがるのかなぁ・・?





「ねぇ、ちょっとドラコ痛いってば・・」


「ねぇ・・・こけちゃうって・・・ねぇってば・・・」



聞こえてるのか、聞こえてないのか。汽車から降りても、離れてくれない。





!」
「・・・ハリー!」

ドラコの手を振りほどいて向かおうとしたのに、次は手を掴まれた。


「・・・・きゃ・・ッ!!・・・痛いよぉ・・」
「ポッターの所なんて行かなくていいさ」
「どうして?」
「あいつ、さっき出たディメンターで気絶したらしいからな」
「余計に行きたくなるもん・・・」
「行かなくて良い」


腕も肩も掴まれて。
無理に力を入れているからなのか、男の力の本領発揮って感じに力を入れる。

ハリーの方向を見ると、心配そうな顔でこっちを見ていた。口を少し開き、手は握りこぶしで。ハーマイオニーとロンは私っていうより、ドラコを睨んでいる。



「どうしたの・・? ドラコ怖い・・」
「ポッターより、俺を見ろ。行くぞ」
「で、でもそっちはスリザリン生用の馬車じゃないの?」
なら大喜びだよ。次の馬車は俺たちクィディッチのチームしか乗らない」
「男ばっか・・・」
「手出しはさせないさ」




抵抗しようにも、離してくれなくて、しょうがなくスリザリン生用の馬車に乗った。
周りは見たことはあるけど名前が分からない人ばっかりだし、本当、蛇のように上から下まで嘗め回すように見てきて。


はっきりいって怖い。



















「意外と早いな」

私からしたら2時間ぐらいに感じたんだけどなぁ・・。
でも、所々紳士で、馬車から降りるときは手を出してくれるし、頭にゴミが付いたらサッと取ってくれるし。


「まだ足がフラつくのか?」
「ううん・・ここ虫が多いし、ぬかるみが歩きにくくて・・・」
「抱っこしてやろうか?」
「しなくていいもん」


今のマルフォイじゃ、してしまいそうな気がする。
だからなるべくスタスタ歩くようにして。

ホグワーツに着いたら着いたで、服や頭に付いている枝や葉を取ってくれる。どうして紳士だったり、鬼畜みたいになるんだろ・・?思春期の男の子ってこんなのなのかな? でも、ハリーはこんなんじゃないし・・・ロンにでも聞いてみようかな・・。





あと数メートルで、大広間! と言う時に、マルフォイにまた捕まえられた。
人も大勢いるから周りの人もチラチラと見てくる。


「何? ド・・・ドラコ・・」
「何って、キスだろ」




今度してきたキスは、とっても優しかった。



私は甘い空気なんて似合わない人間なのに、ドラコにキスされれば、その雰囲気が私たちの周りを包んでいるように感じる。

相手の唇を吸うようなキス。
キスに味なんて無い。あるとしたら、数分前に食べてた物の味だ。あるのは、相手の感触。



「顔、赤い」
「だ・・・だって・・・」
「正直でいいさ」


頭をポンッと押すように触る。そして、手を振りながら大広間に入っていった。


















!!」

グリフィンドールの席に近付いたとき、ハーマイオニーがすぐさま駆けつけて、引っ張るようにイスに座らせた。



「何かされなかった!?」

ハーマイオニーは、ポケットからハンカチを取り出して、服や顔を拭いてくる。

「ん・・・・」



目の前にいるハリーは凄い不安そうな顔をしてるし、ロンはロンでスリザリン生がいる席をチラチラ睨んでいるし。




「ちょっと・・・手、痕が付いてるじゃない!」
「ほんとだ・・でも、大丈夫だよ? 痛くないし・・・」
「女の子にこんなに力を入れるなんて・・・最低じゃない」
「いいの、ハーマイオニー・・責めないで?」
、どうしちゃったの? マルフォイになんか言われたの? それとも、なんかされた?」


その言葉に、ただただ顔を赤らめて下を向いた。
元々座高も低いのに、余計に小さくなる。



?」
「ねぇ・・ロン・・・・・好きな女の子がいたら・・・いたらだけど、どういう時に優しくしたり、いじめたくなったりする?」
「え?僕!?・・・・んーっと・・・気分によるけど、好きな子を見たら色んな事はしたいんじゃない?」

「・・・・・・キスとかも?」



が " キス " って言った瞬間、僕はブーーッ!!と紅茶を拭いてしまった。

こんなに恥かしがってて、僕の知らない所で何かがあったんだろうか。








キスしたの? なんて、聞ける訳なくって。



吐いた紅茶を拭きながら、頭の中がモヤモヤしてた。


















鬼畜ドラコより、優しいドラコの方が萌えますよね。
ほんっと、可愛いです(妄想の中で

すいません、ハリーたまに不幸思考です。