- お粗末 -









  「「疲れたーっ!!」」




クィディッチの練習を終えた俺達は、
自分の部屋のベッドにボフッと倒れ込んだ。




ったく。
途中でスリザリンの奴等が乱入するもんだから、
今日の練習はめちゃめちゃハードだったぜ…




…まぁ、ハリーをブラッジャーから守ってやれなかったせいなんだけど。
ウッドのやつ怒りすぎだっつーの。




  「んじゃ俺、先にシャワー浴びてくる。」


  「おー」




バスルームに向かったジョージに手を振りつつ、俺はうつ伏せになった。




あー… このまま寝れそ…




スプリングの効いたベッドにウトウトとしていると、
カチリと小さな音がしてドアが開く音がした。


リーだと思ったんだが、
まったく入ってくる様子は無いし、声をかける様子もない。




誰だ?




俺は安眠を邪魔する奴にムカつきながらも、ベッドから身を起こした。




  「うわッ 起きてたの!?」




  「…なんだ、ロニー坊やか。」


  「"ロニー坊や"って呼ぶな!」




  「坊やなんだから仕方ないだろ。」




本来ならばクソ爆弾でも投げつけてやりたいが、今日の俺は疲れきっていて。




  「…んで、何のようだ?」




ベッドに再度倒れ込んだ俺は、気怠そうに声をかける。
だが、ロンの返事はいつまで経っても聞こえてこなくて。




イラつきながらも再度身を起こしてドアの方を見ると、そこにロンの姿は無かった。




  「なんなんだ? あいつ。」




用が無いんなら来るなっての。


開けっ放しのドアを閉め、俺は再度ベッドに倒れ込もうとする。






  「フレッド、風呂空いたぞ。」


  「…早いな。」




  「汗流しただけだからな。」




頭をタオルで拭きながら、バスルームから出てきたジョージ。
俺は奴に苦笑すると、重い体を引きずるようにバスルームへと向かった。










少し熱めのシャワーは、俺の髪と体を濡らしていく。


壁に手を付き背中にシャワーを当てると、
汗で冷えていた俺の体は大分温まった。




そのままコンッと頭を壁に付ける。
重心をずらした頭は、急激に眠気に襲われて。




あー… やべ… 寝そう…




ずるずると落ちる体を感じながら、俺は必死に睡魔と戦っていた。




ドンと勢いよく浴槽に尻と背中を付いた俺は、もう限界で。








耳元ではずっと、シャワーの水音が聞こえていた