Not cry, My Angel....09
あれから10分ぐらい待たされた。
皆はどこからか、ウチワやペンライトを持っている人がいる。普段からそんな物を持っていたのかな・・?
まわりのライトが一気に消えた瞬間、DVDで見たのコンサートみたいな声援。
ここの人達もDVDで覚えたのか、実際に行って応援コールを送っているのか。
前者だったら、ちょっと引くかも。
「ーーーーッ!!」
・・・・・・・。
ルパートが椅子から立ち上がって、叫び始める。狂い始めたのかな。
ライトが一気に光って、何時もは"ダンブルドア"が立っていたりする場所。
光の向こうから、スネイプ役のアランが見えたり、ハグリット役のロビーが見えたりで、
少しテンションが下がりそうになったけど、ステージを見ていた。
すると横から、胸元からお腹までの服と、短ズボンを履いてるぐらい。
あー・・あとキラキラしている布切れ。
日本風のアイドルの服装で、珍しい服装に僕らのボルテージが一気に上がる。
「これから、宜しくお願いします! チョウ・チャン役の・です!」
ヤバイ。 が歌手と言う仕事の目になる。
その顔に恋をしていた僕は、一瞬で虜になった。 いや・・虜になっていたんだけど、余計に入ったっていうか・・
・・・・自分でも何が言いたいのか分からないや。
それからは5〜6曲歌った。 舞台から降りてきて、僕の横を通り過ぎたりもした。
一瞬肩に手が触れた気がするけど、気のせいと思うしかないほど、の周りには大勢の人がいて。
アランだって立って手拍子をする。
そのスタイルだとスネイプが拍手をしているようで、ちょっと気味が悪いけど。
汗だくの。髪がウナジや顔にくっ付いて、色っぽさを強調させて。
の歌は踊りながら歌う曲だから、汗だくになるのは分かっているけど、その色っぽさを他の人に見せたくない。
「有難うございました! チョウ・チャン役、でーーす!」
両手を振りながら、去っていく。
僕は、そのに見とれている皆に見つからないように、外へ出た。
向かったのはの楽屋。
・
「お疲れ、」
扉を開けると、扇風機の前で「ア〜〜」と叫んでいる。
あんなに熱気がある所で踊ってたら、そりゃ熱いだろうな。
「今日は一段と張り切ってたみたいだね」
「だって、此処の人皆私のファンなんでしょ? デヴォンからは7通ぐらいファンレター来てたし・・・・。『ハリポタに出てるデヴォンです!』って。だから、さっきダン達の時に行ったとき、握手したわ。エマとは1フレーズだけどデュエットしたし!」
「エマもファンレター送ってたの?」
「2通だけど、手紙はびっちりと10枚入ってたから覚えてるわ」
汗で引っ付いていた髪は、ピカピカ光りながらも僕の方へと靡く。
背中が見えていて、その部分からは汗が垂れてきて。
ムラムラっと来てしまうのが、男のサガ。
「きゃ・・・ッ!」
「あ・・ごめん・・・・」
髪を救い上げて、首元にチュッとキスを落とす。
塩っ辛い味だったけど、の味。 ・・・・変態の仲間入りかも。
「襲ったりしないから・・抱きしめて良い?」
「でも、私汗かいてるし・・・・せっかくの服装が・・・・」
「そういえば、さっきなんで僕をあんまり見なかったの?」
「直視出来る訳無いじゃん・・・・・ダンのホグワーツの制服姿に惚れたのに・・・でも"I need you..."のセリフの時は背中叩いたでしょ?」
「あれ、だったんだ。誰かが当たってきたのかと思ってた」
「私にはダンが必要だもん」
普段こんな事を言わないから、真っ赤になりながら僕を見つめる。
僕はそんなをぎゅっ と抱きしめた。
グリフィンドールの制服が、こんなにも分厚く感じたのは初めてだ。
の素肌に触りたかったナ・・・・。