君がモテるとは百も承知だったけど、此処までとは・・・・
彼氏と言う存在なのが、怪しくなっていくのは、
なんとなくじゃなくって、確信に近付いてると思ってしまうほど。
Not cry, My Angel....08
「きゃーーーーッ!!」
「よ、本物の!大好き!」
「もう死んでもいいわ・・・・って本当に綺麗・・・」
魂を抜かれてるように、うっとりとする脇役の女の子。
でも、男共も女とそこまで変わらない反応。ただウットリして、気持ち悪い顔をボケッと見せる。
にそんな顔見せるなよ。気分悪くなったらどうする気だよ。
「って本当に最高・・・・」
ルパート・・・・お前もかよ。
顔のそばかすを全部取りたくなるほど、腹が立ってきた。
そんな目で見るなって。気味が悪い!
「は新しくチョウ・チャン役になりました。ドラマの女王でもあるに脇役はどうかと思ったんだが、イメージがピッタリでね・・・・皆も色々教えてやってくれよ?」
演技以上の事は教えるなよ?
「ねぇ・・・今日のダンの目付き悪くない?」
「が皆に見とれられてるからだろーな」
「良いじゃない。ダンのじゃないんだから」
「僕のだから」
「・・・・・ほっとこっと」
エマの呆れ顔。
なんなんだよ、エマの奴。
さっきまでにウットリしてた癖に僕の顔を見たら、ガッカリするなんて。失礼だぞ?
「宜しくお願いします。」
僕たちの関係に気付かないように・・かな。僕を一回も見ずに、丁寧な一礼をする。
さすが、日本人。 そういえばって、日本舞踊を習ってたらしいから、
立ち振る舞いがおしとやか。一段とオーラが増してくる。 でも、ちょっと腹が立つな・・・。
「そして、今回のハリー・ポッターのエンディング曲にも大抜擢さ!今まではオーケストラで、その時に映画館から去っていく人が多かったからね・・・・だから、君達のNGシーンを消音でしながら、の曲!最後まで見てくれるだろう!」
自信満々のデビッドに、驚いた顔の。
・・・・・エンディングの曲って事、知らなかったみたいだね。
あぁー大変。絶対プレッシャー背負ってるよ。 目が泳いでるもん。
「私がエンディングで良いんですか・・・? ハリー・ポッターシリーズのエンディングなんて、そんな・・」
「ハハハ! 大丈夫だよ!」
「いや・・・え・・」
「頑張ってね!」
「・・・はぃ」
もう猫みたいに小さな声。
「そういえば、皆にサプライズがあるよ」
「・・・?」
サプライズ? 僕さえも聞かされていないサプライズ?
「が、みんなの前で歌ってくれるってサ! 親睦を深めてくれるそーだ」
ニコニコ笑顔で、親指を立てるデビッド。
は真っ赤に照れながら、僕の方をチラッと一瞬見た。
「丁度、皆が制服に着替えてるところだし、そのまま大広間で歌ってもらおう! この映像は特典映像になれるぞッ!」
ガッツポーズで目を輝かせるデビッド。
あー・・・だからか。
だから、普段見慣れない機材がいっぱいあるわけだ。
音声機器なんてどうしてだろう・・・と思っていた所だった。でも、予想外。
僕だっての生歌を聴くのは初めてだ。
今度、カラオケに一緒に行って僕だけの為に歌ってもらおっと。