君との共演が決まった。
でも、喜んだのは僕だけじゃない。


世界 という規模で喜ばれた。









  Not cry, My Angel....05









がハリポタキャストに加えられたと、世界中の新聞や雑誌に記載された。
テレビ番組のどれも『 ハリポタキャストに選ばれる!』と伝えていた。
バラエティ番組でさえ、それをネタにするほど。



『ハーーイ!今回のPolestarは、ハリポタキャストに選ばれた、我等がのインタビュー等で一時間楽しんじゃいましょう!』



この番組のリーダーのレイが大きな声と満面の笑みで拍手をする。
すると、まわりの女の子や男の子が、マネをするように拍手をする。



が応募したのは知ってたけど、まさか受かるなんて思わなかったわ! しかもあのチョウ・チャン役!はぁー・・先が思いやられるわ・・』
『それ、すっごいヒドクない? 出来ますけど、なにかー?』
『問題あるから心配してるの』
『最悪ーーッ!』



と、の隣にいるアリシアとのトークで収録所が一気に盛り上がる。

僕は、毎週あるPolestarにテレビの前でしっかりと見てしまっている。
同じテレビ局内にいるのに、生放送の番組をテレビで見てるなんて、なんて虚しいんだろ・・。
でも、いっか。 これからと共演できるから。



『さて今回のゲストは、のキャスト決定に乗っかって、フェルプス兄弟に来ていただきましたーッ!』



・・・・は!?

スモークの中から、同じ顔の背の高い2人が出てくる。
の番組に4週連続ハリポタキャストかよ・・・
先々週はロックハート役をしてたケネス、先週はドラコ役のトム。


『この2人はハリポタで、ロンのお兄さんのフレッドとジョージを演じています』
『この番組毎週見てるから、出れて嬉しいよ』
『これからと共演できるだけでも夢見たいだけど。、後でメルアド交換してもらっていい?』
『えぇ、良いわよ』
『はいはい、口説くのは後からしてねー』



ドッと笑が出てきて、2人も満足そうな顔をしながら大笑いをする。


なんだか苛立ってきたせいで、僕はテレビのスイッチを切ろうとした。
でも、何故かスイッチを押せなくなってきた。の番組の視聴率が下がると思ったのもあって、消せなかった。


だから電気を消して、テレビを付けたまま収録所に向かった。
あーあ・・・世界中の温暖化対策している奴に怒られちゃうな・・絶対・・・














続きが見たくなったのかな。
次回作の宣伝をそそくさと終わらして、との共演についても熱心だけど、早口気味に言った。

終わってる事はわかってる。7時から8時まで。
今は・・・8時26分。どうしてなのかな。帰り際にと会えると思っていたのかな?
そんな事は90%無いと思っていたのに―・・・



「あれ・・・ダンじゃない?」
・・」


収録終わりと、来てくれた観客の人に握手とかをしていたから遅くなったんだろう。
付き合っているのに、何故か片思いしているようなドキドキ感が体の中を襲う。


「ダンも収録?」
「うん。まぁニュースで使われるヤツだから、放映は短いだろうけど」
「でも録画するから、放映日とか教えてね?」



雑談したいけど、他の事だっていっぱい話したい。


「ね、ねぇ・・・今日、一緒に帰らない?」
「ん? あー・・良いよ。今日の仕事は全部終わらしたし、まだご飯食べてないし・・・ダンがご飯食べてなかったら一緒に食べに行かない?」
「そこまで良いのかな?」
「別に良いっしょ。キャスト同士で食事しちゃいけないなんて法律ないし、誤魔化せる気マンマンだしv」


ストローを噛みながらニコッと笑う。



「写真撮られたり、パパラッチに追いかけられてもピースしまくってやる! じゃ、私着替えてくるからネー。ロビーとかで待っててくれるかな?」
「OK」


・・こんなにアッサリと約束できるとは思わなかった・・・・・。