Not cry, My Angel....29
東京で色々なものを見回った。
怖いメイクをした人がウロウロしていた。
一緒に写真を撮ってもらったり、何故そんなメイクしてるのか聞いたり。
どう見てもキャラクターのマネをしてるな・・って服の人達にもあった。
貸してもらい、被ったりもしていた。
まったくイギリスやアメリカと違う街なので、
楽しさも倍増。
バレるかな って思ってもいたけれど、
外国人なんて僕等が思っていたほどもいたし、
日本人の血を引いているだって、イギリス顔に近いせいで、気付く人がいない。
「最高ッ!! 日本に来たことは何回もあるけど、こんあに楽しいとは思ってもみなかったわ!!」
「だよね。僕も高級レストランみたいなのばっか行かされてたけど、自分たちで動く方が楽しい!!」
「高級レストランなんて、まだ未成年の私たちが好き好んでる訳無いのにね」
「さすが美食の国だね。こんなに味に凝るのは日本だけだよ!」
テンションもマックス状態。
ホテルの一室で盛り上がる。
笑いすぎて、お腹が痛くなりそう。
と僕だけの思い出が出来たみたいで嬉しい。
・
3日ほどホテルに滞在するとデイヴィット達が来日してきた。
ジャパン・プレミアは今夜。
最初から最後まで、何回も内容をチェックさせられる。
「ダン、間違えちゃダメよ?」
「緊張したら間違えちゃうかもね」
「それじゃぁ、ダンが恥かくだけだぜ?」
「じゃぁ、ワザと間違えちゃう?」
「アハハ! そうしようかな!」
ホットな雰囲気の中、会議は終わった。
「ダン、!早く服に着替えな。特にの服は着難いんだからな!」
「はいはい!」
「のドレスってピンクのじゃなかったっけ?」
「変わったのよ。ほら、日本の特番で日本の芸能人がイギリスに来たでしょう? 背の小さい人がピンクを着るらしくて、被っちゃうからって急遽変わったのよ」
「何色のドレス?」
「薄紫だった気がする。じゃぁ、着替えてくるね!!」
「我慢しろよな、ダン。たった数分に離れたぐらいで、悲しそうな顔すんなよな。まだまだ子供だねぇ〜」
「してないって!! そりゃ寂しいけど、我慢ぐらい覚えてるさ」
「まー早く着替えろ。お前は真っ白なタキシードさ」
デイヴィットに服を顔面へと投げられた。
と釣り合ってればいいけど。
「ダン、着替えた?」
「とっくに!も着替えた?」
「うん、着替えたよ」
その声を聞いて、僕はすぐさま扉を開けた。
まだ髪型はセットされていないけど、これでも十分オッケイだと思う。
「ワーオ!」
「似合ってる?」
「あぁ、とっても!さすが歌手モデル!」
「どうもありがと!」
は少し照れながらも、慣れない足取りで鏡の前へ座る。
やっぱり、女性のヘアメイクよりも男性の方が俄然独創的になる。
シャンプーのCMにも出ているの髪はサラサラで、
この"タナカ"ってゆー人に触って欲しくない と、少しだけヤキモチを焼いてしまった。
「はい、完成!! モデルがいいから、どんな髪型にも合いそうだね!!」
「とっても素敵!! ありがとう!」
僕の言語力では表現できないけど、
ドレスが醸し出す清純さとちょっとしたエロさ。
顔は優しいのに、気の強そうな髪型。
バランスがとても良い。
ジャパンプレミアで、僕とのツーショットをいっぱい撮って欲しいな。
の傍から離れないようにしようかなー。
とにかく、楽しみすぎる。