Not cry, My Angel....26
















もー・・・前もって言ってくれれば!!
化粧品が無くなって来てたから買いたかったのにぃ・・・



「ダンの荷物は?」
「もう用意できてるよ」
「用意早すぎ・・・」
ん家に結構服も置いてるし、パスポートは持ち歩いてるからね。カバン借りて良い?」
「ていうか、ダンの鞄まで家にあるよ?」
「嘘!あー・・この前買ったヤツ!無くしたと思ってた」
「私もコレ使ったけど、使いやすかったよ」


私は箪笥から適当に服を取り出して鞄に入れた。
ついでにダンのも用意して。

「これじゃーまるで新婚だね。同居しちゃう?」
「同居し始めたら、急かされ結婚しちゃうじゃん」
「別に良いよ。相手がなら」
「口説き上手ね」



泊まりに来た事はもう100回は超えている。
でも、まだ体を合わせた事は無い。

なのに・・・・

なんでダンのパンツまで置いてあるんだろう・・・・。
そして、なんで洗濯して丁寧に折ってまで箪笥に入れてるんだろう・・。


本当の同居みたい。




「準備出来た?」
「出来たわ」


ダンに鞄を渡して、自分の鞄を肩にかける。

ダンがジッと私を見つめる。
そして、手を差し出す。


手を繋ごう って意味で手を出したと思い、手を重ねた。


「違うって!」
「・・・え?」
「荷物!!重いだろ?持ってあげるよ」
「ダンだって荷物持ってるのに・・悪いわ」
「その為に鍛えてるからいーの!」


4日分の服やら化粧品、必需品まで入っていて結構重いのに。
それを軽々と持ち上げる。・・・無理しちゃってさ。



「じゃ、手・・・繋ごっか」
「うん・・」


骨っぽい手だけれど、とても暖かい。
握りがいがあって、なんか・・・嬉しい。
















飛行機に乗る時に記者がいっぱいいると思った。

良くテレビとかで見るのに・・ と考えていたのに、1人もいないなんて逆に怖い。
まぁダンにとっては嬉しいみたいだけど。


「チケットは?」
「財布の中」
「用意周到なのね」


チケットを取り出して、差し出す。
相手は私たちだと気付いて大口を開けていたけど、流した。

イチイチ「どうもー」って言うのも面倒くさいし、これからはずっと言わなきゃならない。
それを思うと、今ぐらいはって諦めちゃうんだよね。



行こ」
「・・あ、待って!!」


ハタから見れば完全に恋人同士みたいだろう。
まぁ、実際もそうなんだけど。

今になれば、"本当にカップルなんだぁ"と驚いてくれる人が欲しい。
隠してたときも言いたくてウズウズしてたし。



「わぁ・・・凄い!! ファーストクラスなんて!!」
「今までファーストクラスじゃなかったの?」
「日本に行く時はファーストクラスだったけど、アメリカとかだったらエコノミーよ。エコノミー席をすべて貸し切ってね。で、ファーストクラスには、主催者とかファンクラブの会長とかがいたの。」
「へぇー・・・中心はなのに!」

「でも、私エコノミーの方が好きよ?」
「・・?? ファーストクラスの方がゆっくり出来るよ?」

「そりゃイギリスから日本だったら13時間以上かかっちゃうからゆっくりはしたいけど、アメリカみたいに5時間ほどなら我慢出来るし、今のうちに贅沢しすぎたら後から怖いもん。"初心忘れるべからず"よ」


ね? と言いながら、ファーストクラスの席へ座る。
もちろん、僕とは隣同士。

の言葉にちょっとドキッとしてしまった。
初心を忘れてる部分もあったし・・・気をつけよっと。




座って思った。


なんで座席と座席の間に、手を置くアレがあるんだろうね。
本当に邪魔。
を抱きしめられないし、寝る時に手を繋ごうとしても、なんか邪魔っぽいし。



映画館みたいにあげられないかなぁー・・・。


ファーストクラスなのに、なんか不満ーー。


まぁいっか。
を自分の足の上に座らせれば良いし。

ファーストクラスには老夫婦ぐらいしかいないし。



イチャついてやろ っと。