Not cry, My Angel....25
仕事があるときのクセが抜けれない。
そのせいで6時には起きてしまった。
ダンを起こす訳にはいかないし・・・・朝ごはんとか、洗濯とかしておこっかな。
洗濯機が遠い位置にあってよかった。
"ピー"と言う乾燥完了の音でさえ、とても小さく聞こえる。
おしっ!
洗濯終了!
女1人暮らしだし、毎日してるおかげで量は少ない。
えっと・・次はご飯・・・
っていっても、ダンの食べたい物が分かるわけないし、嫌いな物だってわからない。
・・・・まぁいっか!嫌いな物を食べないと、背が伸びなくなっちゃうし!
「どうせなら・・・・日本料理が良いかも!」
日本に行った時じゃないと、食べられないみたいだし。
・
「・・・・完璧っ!」
時計を見てみれば、もう7時ちょい過ぎ。
そろそろダンを起こしても良いよねぇ・・?
「ダン、起きて。ご飯食べよ?」
「母さん・・・べつに起こしに来なくたって・・・・・」
「残念だけど、私はマーシャじゃないわよ?」
「・・・ん・・? わぁ!」
目を擦りながら、うっすらと目を開けて、私の顔を見る。
視界がボンヤリなのか、2〜3秒たってから驚いた。
「!? なんで僕の家に!?」
「此処は私の家よ? ダンが泊まっていったんじゃない」
「・・あー・・・・そっか。ごめん、ボケてた」
「顔を洗ってきて? ご飯作っておいたから一緒に食べよ?」
「オーケッ」
はそう言って席を外した。
寝室からはリビングは丸見えで、少しだけ料理から湯気が立っている。
後の楽しみ
と、見ないように洗面場へ行き適当に顔を拭いてリビングへ向かう。
「どう?結構美味しそうに出来てるでしょ?」
「わお・・が作ったんだよね?」
「当たり前! 料理ぐらい出来なきゃ1人暮らしなんて出来ないし・・・ほら、前レイと料理コーナーやってたし!」
「これで何時でも"僕の"お嫁さんになれるじゃん!」
「それは、ご飯食べてから言ってくれない?」
はフッと笑いながら、僕を椅子に座るように と 背中を押した。
僕は、少しの沈黙が嫌だから と勝手にテレビを付けた。
女1人暮らしにしては、大きいテレビ。
「あ。ちょうど芸能ニュースしてるよ。へーー、リチャード結婚したんだ。・・・ねぇ、これってさ"ハシ"使って食べるべき?」
「そりゃそうよ。日本食だもん!」
僕には不釣合いのピンク色の箸を渡され、日本で教わった箸の持ち方を思い出し、"ミソスープ"を飲んでみた。
「美味しい」
「ありがとう」
「ホントに美味しいよ! 日本で食べた時のミソスープはしょっぱかったんだけど、これは丁度良い!」
「やっぱりね。イギリス人って濃い過ぎる味は好まないって聞いたから、少し薄くしてみたの」
「ナイスだよ!」
『さーてさて!今日一番のビックニュース!"ダン&の恋愛騒動"!』
ミソスープの具を食べながら 汁を飲む、という器用な技をしていたのに、
テレビからそう聞こえるので、の顔に吹きかけそうなほど ビックリした。
「ねぇ・・・ダン・・この写真って、昨日ブログに乗せた写真だよ?」
「わぉ!そりゃスゲー!良く見つけたモンだ!」
「昨日の夕方にニュースが流れたんだから、ブログぐらいチェックするだろーとは思ってたけど、写真まで掲載するとは思わなかった・・・テレビ局の力って凄いね」
ご飯を入れた茶碗をもちながら、ダンはチャンネルを変えてみた。
ほぼどのテレビ局も 僕達の熱愛報道をしていて、色々なコメンテーターが話している。
『久しぶりのビックカップルですね』
「いやいや、それほどでも」
『子役カップルでここまで驚くとは思いませんでした』
「もっと驚いたリアクションが欲しいね」
『何時からなんでしょうかねぇ』
「1年前からデス」
コメンテーターがコメントする度に、ダンは返事をする。
ルパートみたいな事をして・・・・うつってるじゃん!
「明日から楽しみだね」
「明日?」
「あれ・・言ってなかったっけ? どうせイギリスにいても質問攻めに合うだろーから、先に日本に行くって。デイビットは後から来るし」
「え・・聞いてないよッ!」
「今言った」
「あー・・・えぇー・・・・」