このインタビューが終わったらルパートを10発ぐらい殴ってやろう
そう思った。
ていうか・・・
今すぐしたいんだけど。
Not cry, My Angel....23
「えぇっと・・・それは、ダンとが付き合ってるという事?」
「ルパートの大馬鹿モノ!」
エマは小さな声で怒りながら、ルパートの足をバシッと叩く。
僕は次に来る質問をどう答えれば良いのか、どんな問題が来るのか とヒヤヒヤしていた。
ふぅ・・・ 隠し切れないよね。
「僕はと付き合ってるよ。もう1年近くなるかな」
「じゃぁ、不死鳥の騎士団の撮影の時はずっと付き合っていたのね?」
「うん。皆にバレないようにしていたけど、もう隠す必要が無いね。次回作を撮る時は堂々と出来るかな」
「チャールズ!今のちゃんと撮ったわよね?」
「あぁ、バッチリさ」
・・・・・・?
「この記事を夕方に放送するわよ!責任は私が取るわ!あと1時間でVTRを作って!天気予報は字幕で良いから、15分は放送枠を確保!今のインタビューシーンは4回は繰り返す事! ダン、ルパート、エマ、インタビューに答えてくれると嬉しいわ!ありがとう!」
デイジーはそそくさと服や荷物を片付け、部屋を出る。
僕達はその行動をポカーンと見ているだけで。
「もうルパート!! なんて事を言うのよ! 貴方が付き合っているミュージシャンの名前言うわよ!?」
「そんな事言ったら、エマが付き合ってるトム・ダッカーの事言うぜ?」
「トムとの事はもうニュースになってるでしょ? バッカじゃない?」
「2人の事だって大ニュースになったじゃないか。トムとかはそこまで有名じゃないけど、はアメリカだろうが、ペルーだろうが有名なんだ!世界的なニュースになるじゃないか!」
「自惚れるなよ。歌手と俳優の恋愛なんて良くある話じゃないか」
「グッズの売り上げを知らないからだろう? 世界人口の6割が買っててもオカシク無い売り上げさ。しかも、は色々な国に行ってはボランティア活動までしてる!そこら辺のホームレスにだってね! ホームレスにまで愛される歌手なんてそうそういるもんか!」
僕がマニアのようにペラペラ喋るのに、エマは思い出したかのように話した。
「そういえばダン。貴方、とジャパンプレミアに行くんじゃなかったっけ? 2人で行ったら、余計に大騒ぎになるかもね」
「プロデューサーのデイビットだって来るさ」
「眼球に無いに決まってるでしょう? まぁ・・・・覚悟するしかないわね」
・
僕はインタビューが終わったその足での自宅へと向かった。
大きすぎるマンションで暗証番号、指紋照合だってある所。は僕のを登録してくれていたおかげで、スムーズに部屋に入れた。
「インタビュー早かったんだね」
「今何時!?」
「今?・・・えっと・・5時56分よ? それがどうかした?」
「一緒にテレビ見よう」
「テレビって・・・この時間ニュースかアニメしか無いわよ?」
「そのニュースが肝心なんだよ」
「じゃぁ・・・紅茶でも作ってすぐ行くわ。入って」
ダンの行動が良く分からないまま、お湯を沸かして紅茶を作った。
エリザベス女王が絶賛してた、ダージリンを。
「丁度良かった。BBC1で6時から始まるニュースがあるだろう?」
「芸能ニュースとかが多い所でしょ?」
「あそこで僕達の事がニュースされるみたいなんだ」
「え!?」
「ルパートのバカが悪気も無く言っちゃってね。今日言ったのに今日ニュースにするってスゴイだろう?」
「感心してる場合じゃないよ。私たち、来週からジャパンプレミアに行ったりするのに・・・」
エマと同じ心配をする。
「ジャパンプレミアだろうが、ロンドンプレミアだろうが怖くないよ。は・・・一緒に居てくれるんだろう? それなら構わない」
ダージリンを飲んですぐのの唇に、当たるだけのキスをする。
「ダージリンの味がする・・・・」
「そりゃ、ダージリン飲んでたんだもん」
「僕が味わいたいのはダージリンじゃなくって、の味さ」
「・・・・ばか・・」
「バカでも良いよ」
2人分のカップを机に置いて、5〜6回ほどキスをする。
徐々にダージリンの味が消えていって、甘すぎない美味しさのの味がした。
だれも知らない、の味。
ダージリンなんかよりも癖になる味なんだよね。