禁じられた恋。 色々な種類があるんだと思う。
同性愛や、姉妹愛、年が離れすぎた愛。
でも、普通の人は味わえない禁断の恋をしてるんだ。
"芸能人" 特有の愛。
プロダクションには "スキャンダルは困る!続けたければ恋をするな" とまで言われた。
でも、私達は人間なんだよ。
貴方達にとって見たらただの商売道具にしか見えないだろうけど。
恋だってしちゃうよ。
恋愛だってしたくなっちゃうよ。
Not cry, My Angel....01
「ダン、携帯ばっかりイジってないで、練習ぐらいしろよ」
「メールを待ってるだけだって」
「8回もサーバーに問い合わせてる癖に」
「見るなっつうの」
ルパートは、横で台本と漫画に熱中。
エマはその光景を見て、溜息をつきながら、台本に熱中。
僕は君からのメールを待つのに熱中・・・。
はぁぁぁぁぁぁ・・・。
僕らって似た者どうしだなぁ、と深々思う。嬉しいのか、悲しいのか良く分からない。
"ティーティティ、ティーティティ、ティーティティ"
一番小さくしていたはずなのに。
君の大好きな歌手の音楽が部屋中に響く。
「へぇー、ダンがリアーナ好きだったとは知らなかった」
「女性ファンが多いリアーナに・・・趣味変わったわね」
「いや、僕は興味ないんだけど・・・」
「じゃぁ、なんで興味が無い歌手の曲を?」
「しかも、今の女の子がカラオケで絶対歌うような曲を?」
「「女でも出来た?」」
台本を投げ飛ばして、僕に近付いてくる2人。
怖い映画を見てる時よりも汗が出てきてしまう。エマが、"女でも出来た?"と言う発言に驚きながらも…
「彼女なんて出来るわけ無いじゃないか。」
「まぁ、そうだよなー・・・プロダクションに禁止されてるし」
「私達トリオとトムと双子が禁止の対称よね」
「もしかして、その禁断の愛に手を出したくなって・・・・ッ!」
「違うから!」
僕はムキになってしまって、出せるだけの大声を出した。
「・・・・うるさいわねぇ」
「ていうか、そんなに大きな声を出してまで反論するって事は・・・」
「いるのね」
「しかも相手も芸能人と見た! どうだ?合ってるだろう?」
これ以上違うと言い続けたら、疑われて、僕の携帯を奪ってまで相手を確認するだろう。
こりゃもう・・・言うしかないな。
「あぁ、合ってるよ」
「相手は?」
「・・・・・・」
「もったいぶってないで、教えろって!」
「絶対、誰にも言わない?」
「あぁ」
「約束するわ!」
鼻息を荒くして、さぁ言えよ!と言わんばかりの、ウザいぐらいのキラキラした目。
「今、タレントとかモデルしてる子なんだけど・・・・・・。君達が知らないはずないだろう?」
・と言えばレギュラー番組を14本抱えて、CMは8本。
写真集を出せば、どんなに大きな本屋でさえ売り切れ続出。
『彼女にしたい芸能人』でデビューしてから3年連続1位の大物。
そんな大物と・・・ッ! ありえない!
と言う顔を、どうどうと表現してくる。
「どうして・・・」
「僕大ファンなのに!!」
ルパートがファンだった事はある意味驚いてしまった。