愛を語るにはまだ早いけど....05









あれからドラコはずっと一緒にいてくれた。
熱があって心臓も痛いのに、


もっともっと痛くさせてきた。

病気の時には一緒にいてほしいっていうけれど、
もうちょっとで逝っちゃいそうで、少し怖い。



それに寝っ転がっている姿なんて見られたくない。
二重アゴになってるかもしれないし、
顔がベターってなってブサイクだし・・・もうドスコイって感じ。




「ドラコ・・・もう良いよ。うつちゃったら悪いし。」
「ワクチン打ってるから大丈夫だ」
「いやいや、そんな問題じゃないから」


風邪だって500種類超えるのに、たった一本のワクチンで効かなくなる訳ないし。



「後から攻められた方が怖いっつーの」
「タオル変えてくる」


話すら聞いてないし。


季節のせいか、少し冷たい手が額とホッペにあたる。
冷たすぎて、タオルよりも気持ち良い。

タオルって水分が垂れてきちゃう時あるしね。




ドラコの手をガシッと掴んだ。


「タオル変えられないだろ」
「ドラコの手がいい・・・・・冷たくて、気持ち良い」
「ホッペも熱いじゃないか」
「そりゃ熱出てるもん。熱でて当たり前」
「俺がいるから熱いんじゃないのか?」
「・・・・それもある。」


恥かしい。
いつもならサラッと言える事も、何故か照れてしまう。

弱っているかな。




「もう寝ろよ。俺が来てからずっと起きてるじゃないか」


寝れるか・・・ッ!!

口開いて寝てるような所見られたくないし、
こんなに近くにいるのに寝て見られないなんて勿体無さすぎる。



「ドラコがいるからでしょぉ・・・」
「じゃぁ帰ろうか?」


帰らないで なんて言える勇気が欲しい。

心じゃ叫んでるのに。
あと数%の勇気があればいえるのに。


あーあ。悔しいな。





「じゃぁ、俺は自分の寮に帰るから。なんかあったら、梟でも飛ばせよな」


頬から手が離れて、ギシッと部屋を歩く。
扉を閉める音がこんなに寂しく思えたのは始めてだ。





「本当に帰るなよ・・・ばかぁ・・」


涙は出ない。
だけど、後悔。


今からフクロウ飛ばそうかな。


・・・・って部屋の中から飛ばせるわけないか。