僕たちはずっとの近くにいて、はもう怒ることをやめて、呆れていた。だけど、そこまで嫌がっていない。
「違うわ、これがこう。わかった?」
年下のに、僕たちが勉強を教わっている。異様な光景だけど、僕たちは心の底から嬉しかった。
こんな綺麗な子がお金を貰って体を売ってるだなんて信じられなかった。
僕たちは顔を見合わせ、聞いてみることにした。
「「・・・・」」
「何?」
綺麗な瞳で僕たちを見て来る。
いったいこの瞳で見られて、何人の男が落ちただろうか。
「に聞きたい事あるんだけど・・・・・」
「何?」
「は、お金を貰う代わりに、その・・・・セックスをしてるだろ?それが不思議でしょうがないんだ。の家はそこまで貧乏ではないし、どっちかといえば裕福じゃないか。なのに、なんで?」
フレッドの言葉に、の目が悲しそうな目になった。
「はぁ・・・貴方達にはすべてを話すわ。」
は参った、というばかりに話し始めた。
「前話した、双子の親友の話。あの子の片方がね、病気になっちゃったの。何千万ガリオンを使っても足りないぐらい大手術をしないといけない。だけど、そんな金どこにもない。たとえ家が裕福でも他人に何千万なんて出す人もいない。初めて出来た親友で、私を絶望から救ってくれて、苦しい時も楽しい時も一緒にいた親友。その1人が苦しんでるなら、助けてあげるのが親友でしょ?」
いつのまにかの目から綺麗な涙が出ていた。
それでやっとわかった。初めて会ったときに見た大量のお金の行方。
「でも・・・なんで体を売ってるの?」
「貴方達、なんにもしてない私が5ガリオンを頂戴、って言ったらあげようと思う?」
の言葉で息が詰まった。確かに、5ガリオンはキツイ。5ガリオンあれば悪戯道具が23個ぐらい買える。
「だから体を売ってるの。これ以上多く稼げないもの。5ガリオンは少し高いけど、皆頑張ってお金をくれて私の目の前で植えた狼みたいになる。そんな行為も30分もしないうちに終わるわ。一時の我慢・・・・」
我慢、と言っているけれども、本心は嫌みたいだ。
男は誰とでもヤれるっていうけど、やっぱり女の子には多少の抵抗はあるみたいだ。
「、僕たちのお願いを聞いてもらっていい?」
「もう体を売るのは止めて」
「無理」
「僕たちはが好きなんだ。好きな人が他の人の腕の中で喘いでるなんて、想像もしたくないし、それに現場を見たんだ。その・・・ヤってる姿」
「本当に胸が苦しくなったんだ。お願いだよ・・・・」
僕たちは頭を下げてお願いをしたが、の返事はNOだった。
「親友を見捨てたり出来ない。私も貴方達の事好きよ。こんなに男の人を気になったのは貴方達だけよ。でも、私は親友を見殺しして悠々と生きていられない。ごめんなさい・・・・・」
そういって、は泣いたまま椅子に座り込んだ。