君を感じたくて....15
私とフレッドとジョージは、夜明け前に荷物を片付け、湖まで向かった。
二人が言うには、湿っぽいのは嫌いなんだって。
2人は荷物を出来るだけ小さくし、ポケットの中に入れていた。
(ここにくるまで、今まで欲しい!と思っていたのも小さくしてポケットに入れてたりももしたけど・・・)
「本当に行っちゃうのね・・・」
「「寂しい?」」
「寂しがり屋の私がどう思っているか解るでしょ?」
「わかるさ」
「僕達と離れたくない!大好き!愛してる!だろ?」
「ん〜・・・ちょっと違うけど」
私はクスクス笑いながらフレッドの背中を叩く。
「でも、僕達がの事好きなのは変わりないぜ?」
「出るのが本当に惜しいよ」
2人は私を抱きしめてきて、少し泣きそうな声を出していた。
「俺達は湿っぽいの大嫌いなんだ」
「だからもう出るよ」
「「ずっといたら、ずーっと一緒にいたくなる」」
そういって2人は私の頬にチュッとキスをした。弾んだ音だったけど、どことなく寂しさがある。
「じゃぁな!」
「着いたらすぐふくろう便を出すからな!」
「「See you !愛してるよ」」
そういって2人同時に地面を蹴りだし、空を飛んだ。
最初は20cmぐらいしか離れていなかったのに、もう5mも離れている。
温かさがもう味わえなくて、会いたい時に会えなくなって。
私の間にはジワジワと涙が溢れてきた。泣くまい、泣くまい、と思っていたのに涙が出てしまった。
私は地面に倒れながら涙を流した。飛んで行く2人の姿なんか見たくない。
愛してる・・・愛してる・・・・心の中で何回も叫んだ。
声に出そうとしても、泣き声交じりの声になって、上手く伝えられない。
好き過ぎて、自分自身を怖くなってしまう。
私はぐちゃぐちゃになった顔をなんとかキチッとして、いつものように大広間へ向かった。
私がただ思っただけなのかもしれないけど、いつもより少し静かで、なにか足りない気がした。
「、おはよ」
「おはよう、ハリー」
「2人はどうしたの?」
僕はいつも一緒にいる2人がいないことを不思議に思って
ただ普通に聞いただけなのに、の顔が暗い。
「その話はしないで・・・・」
「ケンカでもした・・?」
「お願い、思い出させるような事しないで・・・・・」
私はハリーの目の前の席に座った。
座った瞬間、涙がこぼれてきて、私は顔を隠しながら泣いた。声も殺して、近くの人に気付かれないように。
でも、私が泣いてる事を皆が気付いた。皆が野次馬気分で覗いてくるので、イライラしながらも、泣いた。
ロンだけは理解してくれているので、私はロンの胸に縋る。
ロン、ありがとう。今のときだけ縋らして。
貴方と同じ赤い髪、服装を見てると少しだけ落ち着くの。
ごめんなさい、ロン。ありがとう・・・。