PHILOSOPHER'S STONE....09
僕達はハグリットが乗っているバイクに跨り、ハグリットの体をギュッっと握ったまま眠りについた。
起こされたときには、もう日が昇っていた。
「買い物に行くぞ!」
「買い物?」
「制服やら杖を集めなきゃいかん。手紙にも同封されてたはずだぞ?」
私たちはポケットから手紙を出し読んだ。
「・・・希望者はフクロウ、ネズミ、ヒキガエルを持ってきてもよい。フクロウは手紙を運んだりするので持っていくには最良――持って行きたい・・・私フクロウ大好きなの!」
「でも、ロンドンで飼えるの?ペットショップはあるけど・・・せいぜい九官鳥ぐらいしか売ってないよ?」
「売っているとも!!・・・だが、店を知っとかなきゃな!」
そういってハグリットは本屋とCDショップの間に立てられた黒い建物まで近寄り、ゆっくりと扉を開く。
そういえば、さっきから誰もこの建物に近付かない。あるのに、ないような扱いをされているっていいうか・・・
「マグルには″建物に入らない″っちゅー、魔法をかけてあるんだ。ダンブルドアはすげぇ」
あぁーなるほどね。
部屋の中に入ると、中は薄暗く、電気の変わりに日光とロウソクを使っている。
服装も・・・魔女っぽい。いや、魔女なんだけど。
「よう、ハグリット!久しぶりだなぁ!いつものやつかい?」
「いや、止めとこう。ホグワーツの用事でなぁー!さんとポッターさんの入学準備の買い物をしにきた」
「やはり嬉や・・・・・とハリーポッターか!」
その瞬間、店全体が静まり返った。誰もがコチラを凝視してきて、目のやり場に困る。
「おかえりなさい。おふた方。お会いできて光栄です。」
「お会いできるなんて・・・夢のようですわ!!」
なんで皆私たちの事を知っているのか疑問だったが、握手をせかされた。
私とハリーと握手した人は、「もう手を洗えない!」とまで叫んでいた。 ちょっち優越感。
「・・・ハ・・リィ・・・ッポッター!・・・ッ!お、お会いできて・・・感激です!」
ターザンを頭にグルグルっと巻きつけた男性が僕達に近付いてきた。
私は無理矢理握手させられたが、握手した瞬間、なにやらゾッとした。
昔味わったことがある感覚。 それに、頭から邪気がムンムン漂ってくる気がした。
「あーこの人はホグワーツで闇の魔術に対する防衛術の先生をしちょる。お偉い先生だ!
おっと!また時間をロスしちまった!早くしねぇと夜になっちまう!クィレル先生、失礼しますだ」
そういってハグリットは私達の背中を押しながら、自分達が来た真逆の扉を開ける。
裏口にしちゃぁ出る所がない。
周りはレンガに囲まれている。