PHILOSOPHER'S STONE....07
僕達は一日をかけて手紙から逃げた。
ホテルにいったら百通ほど手紙が来て、「目立つところじゃダメだな!」と言い、
今は小さな島の借り別荘のような所へ逃げ込んだ。
ここに来て2時間半。まだ手紙は来ない。
フクロウもココまでは来れないのだろうか。
「コレで安心だな!さぁ、もう夜だ。寝るぞ!寝るぞぉーー!!」
叔父さんはニコニコしながら僕とに毛布三つを投げつけてきた。
1つは下に敷いて、そこに二人が寝ろ という意味らしい。
僕と以外の人は寝静まった。
だけど僕とは明日まで寝られない。 あと3分で明日。
明日は私達の誕生日なんだもん。 お互いだけが「おめでとう」と言う。それだけでも嬉しかった。
私とハリーは床に大きく指で書いたバースデーケーキ。
11本のロウソクに、真ん中には『ハッピーバースデー andハリー』
ダドリーの時計は一日が変わるとピピピという音が鳴るので、それを待った。
「もう少しで11歳だね」
「なんか楽しみ」
「私も。なんか特別な年になりそうなんだもん」
「僕もそう思った!」
″ピピピピ ピピピピ ピピピピ″
ピピピと聞こえた瞬間に、会話をとめて一斉にケーキに″さしてる″ロウソクに息を吹きかけた。
その時、大きな雷と同時に別荘の扉が外れた。
″ドガンッ!!″
「「ひぃッ!!!」」
そこには、全身真っ黒で毛むくじゃらの大男が現れた。
ハッキリいって殺されると思った。 殺人鬼?とも思った。ダーズリー家の人も驚いておきだした。
「ハリー、!久しぶりだな。覚えちょるか?」
・・・誰? 見たことも無い大男。
「誰だお前は!!家宅侵入罪だぞ!」
「黙れダーズリー! ハリー・・・・・誕生日おめでとう!俺が来る時に尻に引いちまったんだが、味は格別だぞ!あぁー・・・ほれっ!」
破れまくっているポケットから大きな箱を取り出し、僕に渡した。
開けてみると、ピンク色のケーキに緑色の文字で「ハッピーバースデーandハリー」と書かれている。
「あー・・・アナタは誰?」
「ルビウス・ハグリット。ホグワーツで森番をしちょる。」
ハグリット・・と言う人は暖炉の前にすわり、体に似合わない小さな傘を取り出し、暖炉に向かって突き出す。
″ボッ!!″
大きな音とともに、暖炉に火が付く。 僕らはこれ以上はない!というほど目が開く。
「いや・・・やっ!!」
逃げるように僕の背中に隠れるユリ。
そういえば、火が苦手なんだっけ。
「ハグリットさん。ユリ、火が大嫌いなんだ・・・あんまり勢い良く火を出さないでくれない?」
「あぁ、悪かった!」
私の嫌いな物を知ってたかのような表情。
初めて会ったのに・・・・
「あの・・・・ハグリットさんは誰?」
「初めてお会いすると思うんだけど・・・・」
「なんだ・・・覚えちょらんのか!お前をこの家まで運んできたのに・・・そうだ、手紙はよんだか?」
なんだか会話が合わない。
「まだ読んでないです・・・・あ。あの手紙はなんなんですか?」
「なんとっ!まだ読んじょらんのか! 魔法についてだから早く読んでもらいたかったのに・・・」
「「魔法って?」」
「お前等は魔法使いだろ?」
「「はぁっ!?!?」」