PHILOSOPHER'S STONE....47
「なに・・・?この部屋」
「薄暗くてなんにも見えない・・・」
「ココって墓地かな?」
「いや・・・墓地じゃない。チェスの盤の上だ」
ロンが盤の上に立った瞬間、盤の周りが一気に火が付いて、全体が視界に入るようになる。
「駒の向こうに扉がある!」
「って事は・・・・このチェスに勝たなきゃ、先へ進めないって事」
「だろうね」
「ハリー! 箒でこの駒の上を飛んだら?」
「箒はこの部屋に来た途端消えたよ。あの部屋に戻ったんだと思う」
「戦おう。チェスに勝たなきゃ、あっちへ進めない」
チェスの得意なロンは私達の前に立った。
「よし・・・ハリーはヴィショップの位置へ。はポーン。ハーマイオニーはクイーン側のルーク。僕はナイト。」
「「「 わかった・・・ 」」」
チェスのルールなんてちょびっとしか知らない。
せいぜいキングとクイーンぐらいなのに。
「この後・・・どうするの?」
「最初は白の相手から。その次が僕達さ」
相手側のポーンが2マスこちらへ近付いてくる。
「ロン・・・まさか本物の魔法使いのチェスをするんじゃないでしょうね・・・・?」
「だったらが一番危ないじゃないか! 一番前だぞ!」
「大丈夫。チェスなら誰にも負けないから。」
「・・・・D-5に動け!」
私の2個横のポーンがゴロゴロと前へ進む。
すると、相手側のポーンが剣を取り出し、"ポーン"を斬る。
「・・・・・ッ!!」
「きゃ・・ッ!」
ポーンの破片が、体に当たり血が垂れる。
「ロン!」
「、悪いけど・・・それぐらいはガマンして。多分、今から僕達もそうなるから」
「に怪我させた!」
「ハリー、動いちゃダメ!」
「・・・・」
「私達の命がかかってるんだからね。ヴォルデモートに石が渡らないようにしてるんだから、これぐらいの怪我で私が泣くわけないじゃない!」
は大きな声で言った。
だけど、手と足は小刻みに震えている。
「、E-4に動いて」
「E-4?」
「2個前に進むってコト」
ロンはそれから、私達の指揮をとって、駒を着実に動かす。
目の前の駒が飛ばされたりする中、私達が"殺されない"ように駒を進めた。
「ポーンをE-3へ!」
「キングをD-5へ!」
「ビショップをG-6へ!」
五分五分と呼ぶべきなのかはわからない。 だけど、駒の数は圧倒的にあっちの方が多い。
全員が体中に傷を作り、少ないけど血を垂らすようにもなった。
「・・・きゃっ!」
クイーンより2個隣1個前にいる私には、クイーンの大きさと迫力に負けていた。
「ロン、次はどうすればいい・・?」
「ちょっと待って・・・・これじゃ・・」
「わかった?ハリー・・・・次の一手で僕はクイーンにやられる。そしたら君がチェックメイトだ」
「「 どういう事・・・? 」」
「ロンは自分を犠牲にするつもりなんだ」
「ダメよロン!」
「待って!チェスの得意なロンが考え抜いたんだから、私達はその支持に従わないと! この一手を逃したら私達全員がやられちゃう・・」
「の言ってる通りさ。ハリー、・・・進むのは君たちだ。僕でもハーマイオニーでもない。だから君達を負けさす訳にはいかない!犠牲になったとしても、これで死ぬようにはダンブルドアはしてないさ。・・・・ナイトをH-3へ」
ロンは馬の綱を握り締め、クイーンより5つ離れた真横に移動する。
クイーンはロンの近くに動いてきて、剣を馬へ突き刺す。
「うわぁーーーッ!!」
「ロン!!」
「動いちゃダメ、ハーマイオニー!!」
「ロンが体を張ってくれたんだから、無駄にしちゃダメ」
ハリーは大きく深呼吸をして、クイーンへ向かって斜めに移動する。
「チェックメイト!」
ハリーが大きく叫ぶと、クイーンは己の剣を落とし、そのまま真横に倒れた。
「終わった・・・?」
「あぁ。とハーマイオニーがその場所にいるから、キングはどうも出来ない。僕達の勝ちだ!」
私達は即座に倒れたロンの元へ走る。
「気を失ってるだけ・・・・多分大丈夫」
「ハーマイオニー、ロンを宜しくね。梟を飛ばしてダンブルドアに知らせるんだ。と僕は・・・あの扉の向こうに行く」
「2人なら大丈夫。貴方達は偉大な魔法使いだもの」
「・・・行こう、」
「えぇ・・・」