PHILOSOPHER'S STONE....46









「うゎっ!」
「きゃぁ!!」


地面に落とされる! と思っていたのに、柔らかい植物のおかげで衝撃が少ない。


「助かった・・・」
「なにこの植物」
「植物のおかげさ!」



ほっとしていたのもつかの間、その植物が私達へと動き出して、一斉に体に捲きついてくる。



「いや・・・ッ!!」
「動いちゃダメ! これは悪魔の罠よ。動いた分だけ早く殺されちゃうわ」
「殺される? 落ち着いていられるわけないじゃないか!」



ハーマイオニーは呆れた様子でロンをみながら、植物の中へ沈められた。


「「「 ハーマイオニーッ!! 」」」
「私は植物の下にちゃんといるわ。この下はただの地面だから安心して。じっとしたらなにもされないから」


ハーマイオニーの言葉を信じたハリーは、動くのをやめ、植物の中へ沈められた。



「ハリー・・ッ!!」
大丈夫だよ、動かなかったら助かる!早くしないと、死んじゃうよ!」
「ロンも、じっとして!」
「たーすけ・・ッ!!」
「あーもう、私の話を信じなさいよ。ルーマス・ソーレム!」


ハーマイオニーが杖を引っこ抜いて呪文を唱えた瞬間、
お日様の光みたいに輝いて、ロンがの真横に落ちてきた。



「大丈夫・・・ロン?」
「あぁ、なんとか」
「ねぇ、アソコから変な音しない?」
「虫が飛んでる音?」
「・・・・金属の音もするわ」


ゆっくりと前へ進むと、空中に何千羽の鳥がいる。



「鳥かしら・・・?」
「違う、これはカギだよ。あそこの扉を開けるための」
「何千羽もいるじゃない! 一個一個していたら夜があけちゃう!」
「ねぇ、アソコに箒が浮いてるって事は、飛んで捕まえて開けろって事じゃない?」


「ハリー・・・ハリーなら出来るわ!」
「僕!?」
「最年少シーカーだから大丈夫!小さいものを捕まえるのは得意でしょ?」
だって最年少チェイサーじゃないか」
「私は大きいもの専門だから。さ、ハリー早く!」



が僕の背中を押して、箒の目の前まで連れて行く。


「僕が捕まえたら、に渡す。絶対逃さないようにネ」
「大丈夫、まかせて!」
「でも、どれが本物かわからないわ」
「多分だけど、結構古くて大きい物じゃないかな。鍵穴が大きいし・・・・」
「アレだ!羽が折れたやつ!」



ハリーは目標を見逃さないように、じっと見つめたまま、箒を手に取った。



「わ・・ッ!」

カギ鳥は一気にハリーの元へ飛んできて、目標を見失いそうになる。
ゆっくり飛び出して、目標を選ぶ。


「ハリー、目の前!目の前の鍵!!」



が言ったとおり、左斜め前にあるカギが目標のカギだ。


「なんでわかるの?」
「だって一匹だけハリーの前にいるんだもん。簡単すぎる」
「カギを捕まえたよ!! 、投げるからキャッチして!」


私達の近くに飛んできたハリーは、一瞬だけど私の手に当たってカギを渡した。



、早く! ハリーが襲われちゃうよ!」
「待って・・・サビすぎて上手く回らないの」



"ガチャッ"


「開いた・・」
「ハリー開いた!! 早く!」


私達は戸の中に入り、ハリーが入れるように扉を開いた。
ハリーは一瞬で、扉の中に入り込み、私達が一気に扉を閉める。

カギ鳥が、何百羽も扉に刺さったのがわかった。