PHILOSOPHER'S STONE....44










最近ドタバタしていて、忘れてしまってた学年末テスト。僕とロンなんて頭を抱え、呻き出しそうになりながらもテストに挑んでいたっていうのに、斜め前にいたと横にいたハーマイオニーはスラスラと問題を解いていて、開始14分後にはテスト用紙を提出しているほどだ。ありえない。どこでそんなに勉強する余裕があったのだろうか・・・。



「学年末テストって、そこまで難しくないね」
「簡単すぎよ! あんなの本をちょこっと読めば誰でも解けるわ!」
「悪かったね、僕はその問題を全然解けなかったさ!」
「あら、アナタが悪いなんて言ってないわよ?」


憎たらしい顔つきと声でハーマイオニーが答える。
仲が良いのか悪いのか・・・


「でも飛行訓練テストは絶対ハリーの方が上さ!」


ロンはハリーの背中を強く叩く。



「私は日頃の授業で点を稼いでるから実技ぐらいで成績は下がったりしないわ。それに、緊張のせいで箒を取り損ないそうになっていた時、△付けられてたの私、見たもの!。その代わりは全部◎だったわ!」


ハーマイオニーはまるで自分の事のように胸を張って言う。
は混乱したようで目と首がキョロキョロ。動きが統一していない。






「「 イタ・・・ッ! 」」


急にハリーとが同時に頭・・・って言うより"傷"を押さえ始めた。


「どうしたんだよ」
「傷が・・・」
「たまにあるの。一瞬だけズキッと痛むことが・・・しかも、決まって2人一斉に起きるの」
「前にもあったわよね、そんな事」

「医務室行くかい?」
「そこまで痛いわけじゃないよ・・・ッ!」
「痛がってるじゃないか」



たしかに・・・・。
左右対称の手で頭を押さえてれば、誰だってそう思うよね。



「多分、危険が迫ってるんだと思う。」
「「 え? 」」
「傷が痛むとね、絶対なにか起きるの。ガラスが落ちてきたり、車に引かれそうになったり」
「例のあの人の呪いだったりして!」
「バカね、ヴォルデモートがこんなちゃちな呪いをかけるわけ無いじゃない!」



頭を押さえながら歩いてると、大きな丸太に座ったハグリットの姿が見えた。


「あ・・ッ!」
「え?どうしたの?」


ハリーの歩くスピードが一気に早くなる。一体何事?



「話が上手すぎるよ!ドラゴンを欲しがってるハグリットの所へドラゴンの卵を持ってくるなんて!」
「そういわれてみれば・・・・・普通の卵なら買い物かなって思うけど、ドラゴン卵を持ち歩いてる人なんているはずないし」
「そう!早く気付けばよかった!」


話しながらも、早歩きになり、最終的には走ってしまってる。
運動系が苦手な私にとって、追いかけるのがやっとだ。



「ハグリット、ドラゴンの卵をくれた人はどんな人だった?」
「さぁ? フードを被ってたから顔なんて見えねぇ。薄暗かったしな」
「その人とは話をしたの?」
「"どんな動物を世話してるのか" って聞かれて "フラッフィーを世話するよりかはドラゴンをした方が楽だ" って言ってやった。」

「その人・・・フラッヒーについて興味持ってた?」
「当たり前さ!頭が三つなんて魔法界でも珍しいしな。それにフラッヒーじゃなくてフラッフィーだ」



「あ・・ごめん」
「"宥めるコツさえ知っておけば簡単さ。フラッフィーの場合はちょいと音楽を聞かせばすぐ眠る"って言ってやったサ」
「それよ・・・ッ!」
「あ、いけね。これも内緒だった」



一気に怖くなるハグリットを横目に、私達は一目散に逃げ出した。
怖いのも歩けど、やっと証拠を見つけた!って感じに喜んでいたっていうのも事実。





















「マクゴナガル先生!!」
「マクゴナガルせんせーーッ!!」


僕達は大急ぎで、マクゴナガルの教室まで走った。



「ダンブルドア先生に今すぐ会わせてください!」
「ダンブルドア先生ならお留守ですよ。魔法省から緊急と書かれた手紙が来たので、さきほど出かけました」
「お留守!?」

「大事なことなんです、先生!」
「「「「 賢者の石が危ないんです、先生! 」」」」
「何故そこ事を・・・?」
「石を盗もうとしてる人がいるんです」
「早くしないと盗るられちゃう!」



驚いた顔のマクゴナガル。
メガネを外しながらコチラをじーっと見つめる。



「どこでその石について知ったのかは知りませんが、守りは万全です。ですから、寮にお戻りなさい。もちろん・・・騒がずに」


クールに装ってるつもりだろうが、焦っているのが目に見える。
だけど・・・今の私達には何も出来ない。


しょうがなく、教室から出た。




「ハリーどうする?」
「どうするったって、僕たちにはなにも出来ないさ。スネイプはホグワーツの先生になるほどだぞ? 僕達が勝てるはずが無い。だってそう思うだろ?」
「だけど、なにかしないと賢者の石を盗られて・・・ハリーと私・・・・殺されちゃうわ」
「殺すって・・・」


「あの日、ヴォルデモートは私達を殺しそびれたのよ?そのせいで私達は有名になった。『あの人さえも殺せなかった』って。そんな私達をヴォルデモートが見逃すと思う? 復活したら一番に殺されるわ」



たしかに、一理ある。




「今夜・・・石を探しに行こう」