PHILOSOPHER'S STONE....42
私達は、走りながら寮へ帰ろうとしていた。
だけど・・運悪くマクゴナガルに掴まってしまう。
「こんばんわ」
「こんばんわ・・・・」
「コチラへいらっしゃい」
マクゴナガルの隣にはニヤニヤ笑ったドラコがいる。
チクリかよ・・・・最低。
「いいですか?どんな理由があろうとも、夜中に寮を抜け出してうろついてはいけません。今回の規則違反への罰は50点の減点をさせてもらいます」
「「50点!?」」
「1人、50点です。当たり前でしょう?二度としないように、5人には処罰を与えます。」
「すいません、先生。いま"5人"と仰いました?」
「えぇ、言いました。Mr.マルフォイも規則を破っていますでしょう?あなたにも罰則をしないと不公平です」
・・・いい気味v
「昔はもっと厳しい罰則があったんだぞ?両手の親指をヒモでくくって地下牢に吊るしたもんだ。あの叫び声は最高だった」
僕達はフィルチに外へと連れて行かれた。
そして、今まであった罰則の例をあげられ、頭が痛くなってきた。
「今夜の処罰はハグリットと一緒に行け。一仕事してもらうよ。くらーい森でな。ハグリット、こいつ等を頼むぞ!なんじゃ、まだ泣いておるのか?」
「おれのノーバートは、ダンブルドアがルーマニアに送っちまった。まだ小さいのに・・・」
「その方が幸せじゃない?」
「ルーマニアが嫌だったら?仲間に虐められたら?まだ赤ん坊なのに・・・」
「いいかげんシャキッとする事だな、今から森へ入るんだぞ?」
森・・?
ホグワーツで森っていえば・・・・
「森へ!?冗談じゃない・・・森へ行くなんて。生徒は入っちゃいけないはずだよ。森には・・・狼男が!」
「それより、怖いものは他にも沢山おる」
嬉しくないこと言わないでよ・・・・
「よし、そりゃじゃぁ行くぞ」
私は、一気に怖くなった。
誰でもいいから手を繋いでいたくて、近くにあったドラコの手を握る。
ドラコは驚いてはいたけど、ふりほどく事はなかった―…
森の中を20分ぐらい歩いたら、ハグリットの動きが止まった。
跪いたと思ったら、地面にある、白いのか銀色なのか分からないドロドロしたものをハグリットが触る。
「これは探していたモンだ。よく見ろ、ユニコーンの血の痕だ」
「血!?」
「この前も1頭死んじょった。こいつはヒドイ怪我をしている。いいか、そいつを探すのがお前達の仕事だ。ロンとハーマイオニーは俺に付いて来い。ハリー達は独自で探すんだ。いいな?」
「うん・・・」
ドラコは私の手を引っ張りながら前へ進む。
でも、その手は震えていて、なんだか頼りない。
「こんなの召使の仕事だぞ。父上が聞いたらなんて言うか!」
「マルフォイ、もしかして怖いのかい?」
「怖い?ありえない! とポッターだけが怖がっているんだろ?」
いや、別に私は・・・ なんだか慣れて来たし・・・
"グゥ・・ジュル"
遠くからか、近くからなのかわからないけど、何かを飲んでいるような音が聞こえる。
ドラコもハリーにも聞こえたようで、前後左右を見渡す。
「アソコ・・・なんか、倒れてる!!」
私の指差す方向には、動物みたいなのが倒れていて、その上に黒いマントを着た人が動物に向かって何かをしている姿。
「「ぅ・・あ・・・!」」
一気に頭の傷が痛くなる。
まるで剣山で刺されたような痛みで、目を開ける事が精一杯。
あっちもコチラに気付いたようで、ユニコーンの血を口から垂らしながら、僕たちを見る。
「うわぁーーーーーーッ!!」
ドラコは悲鳴と共に私の手を離し、一人だけ逃げていった。
最低極まりない・・。
「い・・・ッ」
「やだ・・来ないで!!」