PHILOSOPHER'S STONE....40
「起きて!!」
眠たいのに、朝みたいに起こされた。
でも、相手はロンじゃなくてハリー。
「ハリー・・・此処女子寮だよー・・・眠い・・」
「見せたいものがあるんだ!ロンもいるよ!」
「ハリー、仲が良いからって寝込みを襲うなよ」
「襲わないよ。だもん」
「失礼な・・・寝かせてー・・・」
「いいから、行くよ!」
僕は興奮していたのもあって、を無理矢理起こしておんぶをした。
ロンにマントを持ってもらいながらも、あの場所へ2人を連れて行った。
「見せたいものって?」
「コッチ!」
ハリーは思いっきり私をおろす。
そして、私の手を引っ張りながらもある場所へ連れて行く。
「大きな鏡・・・」
「見て!この鏡に僕のパパとママが!!」
「「はぁ?」」
私とロンは不信がりながらも、鏡を覗いた。
鏡を見ると、私とロンとハリーしかうつらない筈なのに・・・
「パパとママだ・・・」
「そう!僕のパパとマ・・・」
「動いてる・・・ママも・・パパもいる・・・・ハリー、この鏡・・・」
「すっげぇ! 僕が勉強で主席を取ってクィディッチで優勝してる!!うわ、凄いや!僕、クィディッチの選手になってる!しかも、キャプテン!最高だな・・・・これって、未来を見せる鏡なの?」
「違う・・・私のパパとママはいないもの。私がこの鏡で見えるのは、両親と一緒に食事をして、笑いあってる姿だもん。ありえない・・・・」
は、目から一粒の涙を流した。
また1つ、また1つ、と涙の数は多くなる。
泣いているのに、口元は笑っている。
それが羨ましいのかもしれない。 そして、とっても悲しいのかもしれない。
どうして僕は、そこに気付いてやれないのだろうか。
僕は、嬉しいだけで興奮しきってた。
「もし、お母さん達が生きていれば、ダードリーで詰まらない生活を送ること無かっただろうな・・・・もちろん、ハリーがいてくれたから少しは楽だったけど、やっぱりハリーだけだったら足りない事はいっぱいあるよ・・・・」
「・・・・泣かない・・で」
「ロンにはわからないだろうけど、幼稚園の時、お母さんが迎えに来ている他の子を見ながら、1人で歩いてかえる子供の気持ち。テストで良い点をとっても褒めてくれる人はいない。弁当はいっつもパンの切れ端で。欲しいもの一個も手に入ったことなかった・・・・」
ボロボロっと泣き出して、ロンに抱きしめられながらもは泣く。
僕だってあったさ。 親に甘えたい時・・・すっごく誰かに甘えたかった。
「・・ごめんね。僕、浮かれてて・・・そんな事考えてなかった」
「ハリー・・・私、今は・・・ハリーの事許そうと思う気持ちと、許せないって気持ちが半分半分あるのね。だから・・・今は話しかけないで・・・・ロン、寮に帰ろ?」
はロンと一緒に帰った。
ロンの少し大きな手を、はぎゅう・・と掴みながら。
少し前までは、僕がその手を握っていたのに・・・・