PHILOSOPHER'S STONE....04
「ママ、見て!!」
その時、ダドリーにタックルさせられた。
僕のほうからタックルされたせいで、と一緒に倒れてしまって、蛇と話すことが出来なくなった。
ダドリーは「うぉー!すげー!」と言いながら、壁にはり付き色々な位置から蛇を見つめる。
僕らはデリカシーのなさに腹が立ち、ダドリーを睨みつけた。
その瞬間、ダドリーが張り付いていたガラスが消えた。
一瞬の事でなにがあったのかがわからない。
ただ、ダドリーが消えたガラスのせいでバランスが取れなくなり、蛇がいる部屋に落ちた。
少し水がある所に頭から落ちたせいでビチャビチャ。
蛇はゆっくりと動き、部屋から出て来た。そして、倒れている僕達に向かって小さな会釈をする。
『ありがとな。俺はブラジルに行く。両親、探す。 じゃぁな、アミーゴ!』
そういって、動物園を抜け出した。 大きな悲鳴がアッチコッチで聞こえる。
だけど、誰も捕まえようとしない。飼育員だってすぐ横にいるのに、動かない。
何故か、僕等が思った通りになる。『蛇が逃げれるように』『誰も捕まえないように』と思ったらそうなる。
不思議・・・だな。
あれから大騒ぎになって、僕とは叔父さんに手を引っ張られ、
無理矢理車にいれさされ、ブッ飛ばしながら家に向かった。
「パパ!ハリーは悪いけど、は悪くないよ!」
「黙りなさい! お前等、何をしたんだ!!!」
「なにもしてない!!」
「ガラスが消えたの!魔法みたいに!!」
その時、叔父さんが真っ青な顔をして、僕達から3mほど遠ざかった。
「ま、魔法なんてモノがな、あって堪るか!!お前らは一週間ココにこもっておけ!! 餓死されたら困るから料理だけは渡してやる。トイレ以外で部屋を出るんじゃないぞ!!わかったな!」
階段下の物置部屋に押し込まれ、電気をつかえないように、バチッと切られた。
扉に鍵を閉めたオジサンは、リビングへズカズカ歩いていった。
「本当の話なのにネ」
「ありえない事が起きたらいっつも僕達のせいだ」
1年前、僕がダドリーにキレた時、僕の近くにあった人形が浮いてダドリーへと飛んでいったことがあった。
その時も、今みたいに閉じ込められて、餓死しかけたことだってある。
「あの蛇、喋ったよね」
「うん、喋った。結構低い声だった」
「私達じゃないのにね」
「なんでオジサン達、『魔法』って嫌いなんだろう・・・」
この家にはルールがある。
一、 質問は禁止。
二、 魔法、魔術、マジック と言う言葉を使わないこと
三、 掃除はとハリーがする事。
小さい頃から納得できなかった。
おとぎ話でも魔法が出てくるものは読ましてもらったことはなかった。
この時から、僕達はその事に付いて気になってきた。魔法・・・この世にあるのかな。