PHILOSOPHER'S STONE....36
オリバーが飛び出すのを見て、僕は飛び立とうとした。
「待って、ハリー!」
「え?」
「一緒に行こう? 初デビューだし!」
「・・・うん」
僕は、のペースに合わせながら飛び出した。
でもはすごい勢いで前へ飛んでいく。 まだ、上手くコントロールできないみたい。
それをフレッドかジョージかが助けて、笑い合っている。嫉妬が僕の胸を焦がす。
そこにオリバーが近付いてきて、に耳打ちをする。すると、は笑いながら頷き、試合会場中をウロチョロと飛び回る。
前、オリバーから聞いた。 自分をアピールして、戦っている寮以外の寮に応援されるようにアピールする。
案の定が近くに来た所の男子軍は、大きな声で「ーー!」と叫び、応援している。
の・・・名前を・・・勝手に呼ぶな。
『今シーズン初のクィディッチの試合です! 今日はスリザリン対グリフィンドォーール!!』
リーの少しグリフィンドール贔屓の実況でが笑う。
「「ナイス、リー!」」
『グリフォンドール、頑張って下さい。頑張れ、グリフィンドール!』
「コラ!ちゃんと平等に応援しなさい!」
『すいません、マクゴナガル先生。 頑張れ〜〜スルィズァリン!』
スリザリンを、なんちゅー適当な言い方で実況をする。
その実況にスリザリン以外の生徒は大爆笑。 僕も、ちょっとだけ笑った。
『おぉっとぉーーー!! 今日はグリフィンドールチーム最年少シーカー&チェイサーのお出ましだぁ! ハリー!絶対に取るんだ! 、君は何時見ても綺麗だよーー!フレッド、ジョージ!を守れよーー!』
「「 アイアイサー! 」」
「コラ、リー・ジョーダン!」
「すいません、マクゴナガル先生」
漫才みたいで面白い。
『選手が自分のポジションに付きました! 試合開始のため、フーチ先生が会場に入ります!
「正々堂々と戦ってください。いいですね?」
皆を見渡し、そして、ブラッジャーなどが入っている箱を蹴る。
勝手に箱が開いて、ブラッジャーが放たれ、スニッチも羽を動かしながら飛んでいく。
『シーカーがスニッチをゲットすれば試合終了!』
スニッチはハリーとスリザリンのシーカーの近くに行って挑発し、何処かへ逃げる。
私がスニッチに見とれていると、視界に赤い玉が入った。
『試合開始です!』
私は焦りながらもそのボールをキャッチする。
すると目の前からスリザリン生が私めがけて飛んでくる。
「、ゴールへ飛んで!!」
アンジェリーナの声が聞こえた瞬間、私は箒を掴んで、前へ飛んだ。
後ろからはスリザリン生が飛んできているという感じがヒシヒシと伝わる。
体を小さくして、空気抵抗を少なくする。
そして、ゴールに向かってボールを投げる!
『入ったー!! グリフィンドール初の点!初試合のがゴォーーール! グリフィンドール10点!』
爆発的な歓声が起こる。
歓声が聞こえるたび、私自身嬉しくなった。
「ナイス、!」
「ハリー!危ない!!」
が叫んだかと思えば、僕の目の前をブラッジャーが通る。
「おぉっと・・」
「怪我しないでよ・・・?」
「大丈夫。フレッドとジョージを信じよう」
「でも、ハリー自身も逃げなきゃダメ。シーカーがいなくなった時点で試合は相手の勝ちになっちゃうもの」
それは・・・僕を心配して言ってるんじゃない・・ね。