PHILOSOPHER'S STONE....33
「どうやってトロールが地下室に来たんだと思う?」
「バカだから、自分だけでは入って来れないさ。誰かが悪戯したんだ!」
僕は前に進もうとするロンの裾を引っ張る。
「なにさ!」
「とハーマイオニーはこの事知らないよ!助けなくちゃ!」
僕はロンの腕を引っ張ってトイレへ向かう。多分、地下室寄りのトイレにいる。そんな気がしたんだ。
思ったとおり。トイレの近くに来た途端、雷の光でトロールの影が壁一面に写る。
トロールは大きな棍棒のようなモノを引き摺りながら、"女子トイレ"へ進む。
「ヤバイよ、女子トイレに行っちゃう!」
「助けないと・・・が!」
「ハーマイオニーもだよ!」
「今はそんな事気にしてる場合じゃないよ!」
「ハーマイオニー・・・もう少しで消灯の時間だよ・・」
「そう・・帰ろうか。」
「そうね・・・・・」
私達は目に溜まった涙を拭き取りながら、トイレからでた。
下ばかり向いていたら、汚くて太い足が視界に入る。
「「・・・ッ!!」」
ゆーっくりと上を見ると、全身3mぐらいの気味の悪い怪物が立っていて・・
体がすくんで動けない私の体をハーマイオニーは引っ張ってトイレの中へ逃げる。
「、屈んで!」
私の頭を押し付けるように、地面へ体を下ろす。
その時に、怪物が棍棒を使ってトイレの壁を一気に壊す。
「「 きゃぁあぁッ!! 」」
「ハリー!!助けて!!」
「きゃぁぁあーーッ!!」
無意識にハリーの名前を叫んでいた。
「、ハーマイオニー、逃げるんだ!」
突然のハリーの声に驚いて、私は一瞬顔を上げてしまった。
それをみた怪物がまたもや、棍棒でトイレの壁を壊す。
「きゃぁあッ!!」
「になにするんだよッ!!」
ハリーは壊れたトイレの板を怪物に向かって投げる。
「助けて!」
「助けて、ハリー!!」
「オイ、のろま怪物!!」
ロンが、そう言いながら投げた板がちょうど、怪物の頬と目に当たる。やっと、ロン達に気付いた。
ロン達を見てる瞬間に逃げ出そうと、ハーマイオニーがトイレから出る。
洗面台の下に逃げようとするハーマイオニーに気付いた怪物。 それに気付いた私。
「ハーマイオニー、危ない!!」
私はとっさにハーマイオニーを抱きしめ、1mほど前へ逃げる。 なんとか避けきれてホッとしていたら、
「になにするんだよ!」と叫びながら、ハリーは棍棒にブラさがって怪物の首元に座る。
怪物が驚いて、棍棒を降ろした時、ハーマイオニーには当たらなかったが、私の頭を掠って、あたった部分から血がタラタラと流れる。
「あ゙ぁッ!!!」
「、大丈夫!? ごめんなさい、私をかばって・・・」
「大丈夫・・・・」
「こんなに血が出てる!」
私はボヤけていた視界が、徐々に真っ暗闇になるのがわかった。
意識も遠のい・・て・・・・
「!!!」