PHILOSOPHER'S STONE....03
家の近くのデパートでダドリーのプレゼントを買った。
1つは大ファンの女歌手のポスター(サイン付き)と、広告に″これを着れば女の子にモテモテ!!″と書かれていた服を買った。
正直の上に″バカ″がつくヤツだな・・・ と心底思った。
ダドリーのワガママでそのあと動物園に行った。 3日前に学校の遠足で行ったところ。
理由は班の女の子達と一緒に回ったのが嬉しくて、また行きたかったらしい。
班だからしょうがなく一緒に回った、という事が分からないのだろうか。このバカチンは。
「ママ、見て!この蛇寝てるよ!!起こしてよ!つまんない!」
ダドリーの言葉で、叔父さんが蛇がいる部屋のガラスを叩く。
「起きろ!!」
それをマネして、ダドリーもガラスを叩く。
無理矢理起こされた蛇は、眠そうな目を見開いてダドリーを見つめた。
「「可哀想だよ!!」」
僕等が一斉に言うと、ダドリーたちは鼻で息を吐き出し、他の所へ向かった。
私たちは眠そうな蛇に小さな声で話しかけた。
「ごめんね。僕等あいつのイトコなんだ」
「でも全然似てないだろう?」
「「僕等(私達)の方が似てるだろ?」」
声が揃った時に、蛇が笑ったように見えた。
一瞬の事で、どう思ったか辺りを見回して、誰も見ていないのを確認した。
「ミャンマーから来たの?それともブラジル?」
蛇は首を横にフリ、ある方向に首を向けた。蛇が首を向けた方をみると、大きな看板があった。
『ブラジル産ボア・コンストリクター 大ニシキヘビ この蛇は動物園で生まれました。両親はブラジルへと返しました。』
その文を読んで、なんだか気まずい雰囲気になる。
「あー・・ごめん」
『かまわないさ』
「「・・!?」」
おっどろいた。 蛇が喋った。
「暇だろ?こんな所に閉じ込められて」
『だからいつも寝てるんだ』
「寂しい?」
『俺らは産まれてすぐ親と離れる。だから寂しくない』
「本当?」
『少しは会いたいとは思う』
よこらへんのオッサンよりは大分面白い。 尻尾でハート形を作ったりして、ギャグが通じる。