PHILOSOPHER'S STONE....16












汽車が駅に止まった時は、もう夜だった。
そこから船に乗り、馬車に乗り、少し長い距離だったが、とてつもなく大きな城に圧倒されまくりだった。


ハグリットに連れて行かれるがまま、僕達は色々な道、階段を上った。
3分ぐらい歩くと、階段の一番上には緑色の服が似合う少し痩せた女性が目を大きくして僕等を待ち構えていた。




「ようこそ、ホグワーツへ。今から上級生に会い、組み分けの儀式をします。どの寮に入るかは私にも分かりません。グリフィンドール、スリザリン、レイブンクロー、ハッフルパフ。学校にいる間は、寮がアナタ方の″家″です。良い行いをすれば寮の得点となり、逆に悪いことをすれば減点します。毎年最優秀の寮には優勝カップが授与されます。間も無く始めます」



その女性が、扉を開け中に入る。
その時、金髪の男の子が僕等に向かって話しかけてきた。




「本当だったんだ。とハリー・ポッターがホグワーツに入るって!」




その言葉で周りがザワザワと騒ぐ。
中には僕等をチラチラ見つめ、「本物?」と言う人までいる。



「僕は、ドラコ・マルフォイ。その横にいるのは・・・・赤毛にそのお下がりのローブ・・・ウィーズリーの者だな。魔法界にも家柄が良いのと悪いのがいるんだ。付き合う友達は選んだほうが良い。僕が教えてあげよう!」



こんな嫌味しか言わないヤツが、両手を出してきた。
握手でもしろっていうのか? 冗談じゃない。


「「友達ぐらい自分で選ぶ。そんなもわかんないの?」」
「コラッ!私語は慎みなさい!Mr.マルフォイ。正位置へ戻りなさい。準備が出来ました。来なさい」



マクゴナガルが前を向き、歩き出すと、大きな扉が合わせる様に勢いよく開く。
目の前には数百人の生徒。帽子を被り、皆が僕達を見ている。


クスクス笑う者もいれば、どの子が寮に来るか と賭けをしているものさえもいる。
ロンのお兄さん達は前の席で、ニヤニヤしている。目が合うと、投げキッスをしてくる始末。



「まず始めに注意事項を言っておこうかのぅ。暗黒の森は立ち入り禁止。入るではないぞ。そして、管理人のMr.フィルチからもお願いがある。右側の散会の廊下には近寄らぬこと。そこには恐ろしい死が待っておる。以上の事を守るように。以上だ」




最後の「以上だ」と言う所が、可愛らしくいってある成果、なんだか笑える。




「名前を呼ばれた生徒は、前に出てくるように!帽子が寮を決めてくれます。・・・・・ハーマイオニー・グレンジャー!」
「ウソ・・ッ・・・落ち着いて・・大丈夫。・・・落ち着くのよ」



ハーマイオニーはなにやらボソボソ言いながらも、前の椅子に座り、女性が持つ帽子を被らされた。



『う〜む・・・』



・・・・帽子が喋った!?



『決まった・・・グリフィンドール!!!!』




帽子が艸叫ぶと、グリフィンドール席から大きな感性と拍手。
ハーマイオニーはニッコリして、帽子を外してもらい、グリフィンドール席へ向かった。





「次。ドラコ・マルフォイ!」



マルフォイが席に座り、帽子を被ろうとした瞬間「スリザリン!」と帽子が叫ぶ。
まだ被っていないのに・・・・


「悪の道に行ったヤツは全員スリザリンなんだ」



ロンがそう耳打ちしてきて思った。絶対スリザリンだけは行きたくない。





「スーザン・ボーンズ!!」
『う〜む・・・・ハッフルパフ!』
「ロナルド・ウィーズリー!」
「頑張って、ロン」



緊張した顔。なんだか笑っちゃうな。



『またウィーズリー家のモノだな。お前の行く寮は決まっておる。グリフィンドーール!!!!』


帽子がそう叫ぶとロンのお兄さん達が大はしゃぎをする。
ロンの家族は全員グリフィンドールらしい。



「ハリー・ポッター」



その時、口内が静まり返る。
そして、帽子となにやらハリーは喋っている。ハリーが何を喋っているのかはわからないが、スリザリンを拒んでいるのは分かる。



『それならば・・・・グリフィンドーーールッ!!!!!』




今までに無いほどの爆発に似た完成。
ハリーはニッコリ笑って、私にウインクを投げ飛ばしながらもグリフィンドール席へ向かった。





!!」




またもや沈黙が続く。
私は石のように重くなった体をやっとこさ動かしながらも、椅子に座った。






『君も十分に素質が備わっておるし・・・・勇気に満ち溢れていて、色々なコトにチャレンジしたいと思っておる・・・・・この子にあう寮は・・・・』
「スリザリンは嫌・・・ハリーと一緒・・・・嫌・・・スリザリンは嫌」
『うむ・・・・そうだな・・・』
「頼むから・・・嫌・・・嫌だ・・・!!!」





『スリザリン!!』