PHILOSOPHER'S STONE....13












ハグリットはそのあと、僕達を喫茶店へと連れてってくれた。
そこで、僕達は気になっていた質問を問いかけた。







「ねぇハグリット。ハグリットはこの傷を負わせた人を知ってるんでしょ?」
「教えてよ。いっつも不思議だったんだ!双子でもこんな減少はありえないよ!ねぇ、この傷は何?!」
「肝に銘じておけ。魔法使いは全員が全員良いヤツとは限らねぇ。悪い奴だっている。魔法を殺人道具に使うやつだってゴマンといるんだ。昔・・・1人の男が闇の世界へ行ってな。そいつの名は・・・」


ハグリットが今よりももっと小さな声で喋る。



「ヴォルデモート」
「「ヴォルデモート?」」
「シッ!・・・暗黒の時代があったんだ。ヴォルデモートは少しでも力のあるヤツを闇に連れ込もうとした。その日、ハリーとの両親はお互いの子供を見せ合うためにハリーの家に集まっていた。その時現れたんだ。ヤツは。 4人ともが優れた魔法使いである事を知っていたからな」



ハグリットの顔が真剣になるにつれ、僕達は瞬きを忘れてハグリットを見入った。



「立ち向かった者は皆殺された。もちろん、お前等の両親は戦った。決して悪の道には行こうとしなかった。だが、ヤツに狙われて命が助かった者はおらん。ただ・・・お前等だけは助かった。ヴォルデモートは手を出そうとしなかった。その場をすぐに立ち去ったんだ。その光景を見たモンが言っちょった。『緑色の光が放たれてすぐ黒いマントの男が逃げ去った』と。」


「ヴォ・・・そいつが僕達を?」
「どうして私たちを殺さなかったの?」
「まぁ話を聞け。 その傷はただの切り傷でも、アザでもねぇ。それは呪いをかけられて出来る傷だ。邪悪な呪いをな。」
「じゃぁその人はどうなったの?」
「死んだって言う者もおりゃー、仲間を集めているって言う者もおる。俺にはどっちかなんてわからんが、生きてる事は確かだ。あんなヤツがそう簡単に死なん。弱ってるだけだ。お前さん達はヤツから生き残ったから有名なんだ。魔法界で知らんモンは一人としておらんよ。どの本にも載っちょるし。″生き残った二人″としてな」




そのあと、ハグリットは一言も喋らなかった。
僕達をベットまで連れて行ったあと、フラフラ〜とどっかへ行ってしまった。


僕達はその夜、色々喋った。
一番驚いたのは、自分達の一番昔の思い出を良い合うと、まったく同じだったという事。



『緑色の光がピカッ!と光ってすぐ、目の前に黒い人が立った』と。


僕は顔まで覚えてないが、は顔を微妙に覚えてるらしい。
僕はそれ以上聞けなかった。 も僕も同様に傷がキリキリと痛んだから。



誰かに「それ以上は言うな」と言われてるみたいで。
怖かったものの、と繋いでいた手で少し安心できた。