鏡に映らない真実....03








僕たちはが気になっていた。
顔付きは皆と変わらず、ありきたりな声をしていて、体格も普通。



なのに、何処か気品があった。

愛くるしさがあった。

平均的な姿なのに、何故か引かれていった。





ってグリフィンドール生だよな?」
「あぁ。でも探してもいないんだよ」
「学年は?」
「聞いてねぇ」



ちゃんと聞けばよかった。
ていうか、俺らは99%の生徒の顔と名前ぐらいは覚えてるはずなのに、の事は知らなかった。

それが不思議でしょうがなかった。



どの学年の生徒に聞いても、名前は知らないという。
顔写真を見せたら、見たことがある程度。
早く会いたい。 そう思えるようになった。

















「あ、じゃん」





一生懸命走って、の手を掴んだ。いや、掴もうとした。
掴んだと思ったのに、掴めていなかった。


「あれ?どうしたの・・・? そんなに息を切らして・・」




はポケットからハンカチを取り出し、ハンカチで汗をぬぐってくれた。

匂いはしない。



だけど、優しさが伝わる。



「ジョージはどうしたの?」
「あ・・・アイツは魔法医学の居残り・・・」
「そう・・。フレッドは頭良いのね」
「いや、俺ら2人で居残りしたらロクな事にならねぇって別々の日にさせられてさ」



ハンカチ越しなら触れられるんだ・・・ 私はそんなのん気な事を思ってた。




「そう・・魔法医学って本当難しいわよね。魔法医学を勉強しても使うときがないし、この科目が使える仕事って医者だけだしね」
「だよなぁー! 俺らはWWWを作るからまったく関係ないんだよなー」
「WWW?」
「ウィーズリー・ウィザート・ウィーズ!! 悪戯用品専門店さ」
「2人らしいのね」


の顔が近くにある。
計算じゃない上目遣いで、少し口が開いていて。


顔が真っ赤になった。




「フレッド・・?」


肩にかかる位のショートカット。
ふっくらしている唇。
首元のボタンを二つも開けていて。


理性を失うのはこんなにも早くて、少し戸惑った。


の二の腕を掴もうとすると、はすぐさま遠のいた。
とても驚いた顔をしていて制服を握っていた。



「あ・・ごめん・・・・」


はそのまま去って行った。青い顔をして。




「嫌われちゃったかな・・・」