鏡に映らない真実....02
「ね・・・ねぇ!」
「「ん?」」
話す姿はみたことあるけど、話したことはなかった。
話したくて、いきなり声を出しちゃった。
「あのね、アッチに仕掛けた爆弾、左より右の方が良いよ。フィルチはいっつも右側を歩くから」
話したくって、どうでも良いことなのに、声に出した。
「マジ!?」
「ありがと! 今回のはすっげー自信作だったんだよ!」
「フィルチをチリチリにさせたまま、体をレインボーカラーに出来るんだよ!」
「まじ、最高なんだぜ!」
「本当? 見ててもいい?」
「あぁ!」
「ただし見つからないようにしろよなー」
「まかせて!」
240年ぶり。
人と話すのなんて。
でも、会話の仕方はわかっているから、不自然じゃないと思う。
「君、本当にグリフィンドール生?」
「紋章があるのに疑うの?」
まぁ偽なんだけどね。
「いやー・・見たことないなって思って」
「まぁグリフィンドール生だけでも何百人もいるしね。全員は覚えられなくて当然」
「俺ジョージ」
「俺フレッド」
「「よろしく」」
2人が手を出してきた。
本当は握手したい。 だけど・・私は"アライク"。
触れてもらえない。
どうしようかって思ったら、2人の手は丁度良く泥だらけ。
私が目で合図したら、2人は手を引っ込める。
だけども逆の手を出してきそうだったので、分からなかった と見せかけるように、フィルチの姿を探した。
「・・。って呼んで?」
「へぇ、ねぇ!」
「っていったら、なんかの教科書で聞いたことある・・・・あ、東洋の魚人!」
「魚人と一緒にしないでくれる?」
笑いながら、フィルチを見る。
今日も一段と服装が汚くて、笑ってしまいたくなる。
制服じゃない時の私だって綺麗な服着てるのに。・・・ワンパターンだけど。
"ドガーーーンッ!! ポ・・ッ"
「ポ!?」
イメージと違う音が聞こえる。
煙は七色所じゃなくって、30色はゆうにあるだろう。
フィルチの服や顔、指先までもが、2センチ毎に色が変わっていて、
なんていうか・・・・ 気味が悪い生命体って感じ。
「「ナーイス、成功!!」」
私の上でハイタッチをして、大喜びをしている。
「真逆にもう1個爆弾があったらシマシマよりも、もっと凄いと思うんだけどなぁ」
私の意見を聞いて、少しの間。
頭の中で想像したみたいで、面白そうにニコッと笑う。
その笑顔がとてつもなく格好良くて、心臓が脈打ってるみたい。
死んで、血が通ってるはずないのに。
ドキドキがある。
あぁ・・・どうして私は幽霊なんだろう・・。