Just a game.....10










「うぅ・・・もう無理」
「まだ20分しかたってないぜ?」
「嫌いな教科のときは、時間がゆーっくりすぎてるのよ。」
「僕にとってはすごい早かったけど?」


がいたから。
本当にアッと言う間に終わった気がする。



「しもべ妖精が時計の針遅らしてるんじゃ・・・」
「そんなにしもべ妖精いないから」


いたとしても、腕時計まで時間を変えられないって。



「どうせ3週間後にテストあるんだから」
「こんな早くから勉強したくないよ」


は不機嫌気味で、ペンをくるくるまわす。器用にクルクル回して・・・よくやるなぁ。



「そういえば!テスト前にホグズミートあるでしょ?」
「ホグズミート?」
「リドルだって行った事あるでしょ? 一緒に行かない?」
「は!?」
「一緒に行ってた友達に彼氏出来ちゃって、いく人がいないの。どう?」
「行く」
「やった」



ニッコリ笑って、シャーペンをカチカチっと連打する。
そして、出したのに、またシャーペンの中に戻す。

しょうもない姿がとっても可愛い。無駄に真剣な姿にトキメキさえも覚える。



「何処行きたい?」
「え?」
「ホグズミートの何処に行きたい?」
「別に・・・」


「つまらないなぁ・・・・楽しい場所とか、行ったこと無い所とか・・・あっ!」
「・・・?」
「メーシー・デル・バレのカフェあるでしょ? あそこ行ってみたかったんだよね。いってみない?」
「えぇ・・・あそこ・・?」



メーシー・デル・バレのカフェはほっとんどが恋人同士で、
カフェ内でキスをしはじめるカップルやら、トイレに2人で入ってナニしちゃってる人だっている。



「一回行ってみたかったんだよねぇ。ダメかな?」


は知らないみたい。
外見は大人っぽいんだけどなぁ・・・・ どうしてそうなるのかは不明だけど。


「良い?」
「僕は良いけど」
「やった!」



椅子が高すぎて、地面に足がつかないせいで、上下にブラブラと振る。
僕の足に当たるんだけど、小さな声で「ごめん」というから、許してしまう。

ていうか、の顔を見ていたら痛くない。神経までにイカれたみたいだな。



「じゃぁ、天文学頑張らないとなぁ?」
「・・・・頑張る・・うん・・自分ガンバッ!」
「なんだよそれ!」


両手でガッツポーズして鼻から息を出す。
お腹がよじれるぐらいツボに入ってしまって、大声を出しそうになる。



「人の顔見て笑うなーッ!」
「だって・・・鼻から息出さなくても!」
「リドルだって出るでしょ!」
「そりゃ出るけどさ」


ムキになって僕に近付く
小さな顔が僕の顔に近付いてくるから、顔が赤くなる。



「ほら!人の顔見て顔赤くなるまで赤くなるなんてッ!」
「いや・・・これは!」
「笑いすぎー」


あと20cm。

頭の中の定規がと僕の距離を測る。正確じゃないかもしれない。ていうか違うだろう。
だったらもっと近付いてやろう、と頭のどこかで思ってしまう。



の真っ黒な目の中に吸い込まれるように、顔が近付く。



「わ・・・ちょっ・・!」
「・・・・・」
「リドル・・・近いッ!」



俺の頭の中の定規では、あと6cm。