いつか言いたいネ....02
「ブラック・・・どうして貴方がココに?」
「そりゃ君もだろ?」
俺はの肩をなんとなくで触った。
でも、は嫌がった顔はしないが、すぐさま手をはらう。
「あ・・・ごめん」
「別に・・」
はまた窓から外を見る。
俺からしては何が楽しいのかわからない。 まぁ価値観は人それぞれだし・・・
「はココで何してたわけ?」
「外を見てた」
「それぐらい他の奴でもわかるから。何を見てたわけ?」
「自分」
「は?」
「外を見ながらも自分を見てた」
なにを言ってるんだろうか。
自分自身を見れるわけ無い。鏡でもないかぎり・・・・あ・・
「窓ガラスに映る自分を見てたって事ね」
「正解」
「そりゃ綺麗だもんなぁ」
「そんなんじゃないよ」
「あ?」
「そんなんじゃないの。自分の目と鼻と口と髪の色を見てた」
イヤそれって・・・・顔見てたって事じゃ?
「なんで顔のパーツを見てたの?」
「似てるから」
「は?」
「お父さんにソックリだから」
そんなにお父さん似がいやなのだろうか。
「・・・・私のお父さんの事知らないの?」
「なにが? 君のお父さん、そんなに有名な人なのかい?」
大会社の社長とか、魔法界の大臣かな と思った。
は僕の言葉にニッコリと笑顔を見せる。
「良かった。あなたも知ってるのかと思ってた」
「なにを?」
「・・・・知らないでいて」
「・・・・? あぁ・・・ていうか、って呼んでいい?苗字で呼ぶの慣れてなくてさ」
「えぇ、別に構わないわ」
月の光のおかげで、の髪の一本一本がキラキラ光る。
それが僕の腕やら顔に触れるので、ドキドキの連続。
一目惚れなんてありえないと思ってた。
恋は絶対、相手の事を知っていって、いつのまにか恋をしているものだと思ってた。
ジェームズを見てると特に。
これを恋と呼べるみたい。
「ブラックは・・・どうして此処に?」
「あ、リリーが忘れた水晶玉を・・・」
「あぁ、コレね。」
が壁際に置かれた水晶玉を両手で持って俺の方へ。
俺も慌てながら水晶玉を貰おうと手を出す。
の手の甲が俺の手のひら全体に当たった。
すっぽり入る手は少し冷たいが、存在感がある手。
「わ・・ッ!」
「あ・・ちょ・・・ッ!」
俺の手に水晶玉を置こうとしたに、ビックリして手を離す俺。
ガシャンという音が棟の中で響く。
「もう・・・怪我しちゃうじゃん・・・・」
はそういって、飛び散った破片で切れた俺の指を舐めた。
「・・・わぁっ!!!」
タコのように吸い付く。
舌のちょっとザラザラした感覚が身体全体を震わす。
「ん、大丈夫。破片は入ってないみたい。絆創膏でも貼っていたら治るでしょ」
「あ・・・ども。」
はまたニッコリして、水晶玉の破片を眺めながらも、杖を振る。
すると、水晶玉はすぐさま元の形に戻る。 2,3箇所かけている部分はあるけど。
多分・・・階段の下に破片が落ちたのかも。
「あ・・じゃぁ、俺戻るから」
「うん」
俺は水晶玉を片手に持ちながら、が舐めた指をくわえた。
唾液が混ざり合った感じがして、ゾクゾクする・・。